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2026.11.04

日本畜産学会第134回大会における発表
ユーグレナ配合飼料が離乳子豚の発育および飼料効率の向上に及ぼす好影響を確認

 国立大学法人宮崎大学(宮崎県宮崎市、学長:鮫島 浩、以下「宮崎大学」)、株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲 充、以下「ユーグレナ社」)およびあすかアニマルヘルス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山口 文豊、以下「あすかアニマルヘルス社」)は、宮崎大学で実施した試験において、微細藻類ユーグレナ(以下「ユーグレナ」)を配合した飼料の給与が、離乳子豚の免疫関連指標に好影響をもたらす可能性を確認しました。また、ユーグレナ添加により試験期間では日増体量が高い傾向を示すとともに、試験期間全体の飼料要求率においてはユーグレナ添加区が対照区より良好な値を示しました。 

 本研究成果の一部は、日本畜産学会第134回大会において、演題「離乳子豚へのユーグレナ配合飼料の給与による発育及び免疫機能の効果検証」として口頭発表されました。

■研究の背景と目的

 畜産業界では、家畜の健康を維持しながら生産性を高めるため、飼料を通じて免疫機能を支え、疾病への抵抗性向上を目指す取り組みが国際的に進められています。国連食糧農業機関(FAO)も、抗菌剤に依存せず家畜の健康を支える飼料戦略の重要性を示しています。※1

 これまでの研究では、ニワトリに対して、ユーグレナ、またはその貯蔵多糖であるパラミロンを配合した飼料を給与することにより、獲得免疫能が向上する可能性が示されています。※2、※3

 これらの知見を踏まえ、本研究では、ユーグレナの飼料添加が他の畜種にも同様の作用をもたらすとの仮説のもと、将来的な肥育豚への応用も見据え、養豚生産における肥育豚の健康維持と生産性向上への活用可能性を検証するため、離乳子豚(LWD種※4)を対象に、発育成績および免疫関連指標への影響を検証しました。

※1 Antimicrobial Resistance: Animal feeding(FAO)https://www.fao.org/antimicrobial-resistance/key-sectors/animal-feeding/en/
※2 2025年6月2日のリリース 宮崎大学、ユーグレナ社、あすかアニマルヘルス社はユーグレナ配合飼料の給与によりニワトリの成長が促進される可能性を確認しましたhttps://www.euglena.jp/news/20250602-1/
※3 2025年1月28日のリリース 宮崎大学、ユーグレナ社、あすかアニマルヘルス社はパラミロン配合飼料の給与によりニワトリの獲得免疫能が向上する可能性を確認しました https://www.euglena.jp/news/20250128-2/
※4 LWD種:ランドレース種(L)、大ヨークシャー種(W)、デュロック種(D)を交配した三元交雑豚。

■研究の内容

 LWD種の離乳子豚20頭を各群5頭の4群に分け、ユーグレナ粉末無配合飼料(以下「対照区」)、またはユーグレナ粉末を飼料重量に対して0.01%、0.05%、0.1%配合した飼料(以下、それぞれ「0.01%区」「0.05%区」「0.1%区」)を6週間給与し、その間の日増体量※5、飼料要求率※6および末梢血リンパ球サブセット※7を測定し、群間比較を行いました(一元配置分散分析、二元配置分散分析およびTukey検定)。

※5 日増体量:一定期間において、1日当たりに増加した体重を示す指標で、数値が大きいほど、その期間の体重増加が大きいことを示す。
※6 飼料要求率:体重を1 kg増加させるために必要な飼料量を示す指標で、値が低いほど飼料効率が高いことを示す。
※7 末梢血リンパ球サブセット解析:血液中の免疫細胞の種類や割合を調べる検査で、体の免疫バランスや免疫機能の状態を評価するために用いられる

■研究結果

1. ユーグレナ添加0.01%区では、日増体量が高い傾向を示しました

 試験開始から3週目まで(p=0.06)、および5週目から6週目まで(p=0.08)の期間において、0.01%区は対照区と比較して日増体量が高い傾向を示しました(図1)。

図1:日増体量(Kg/日±標準偏差)


2. ユーグレナ添加区では、対照区よりも優れた飼料要求率を示しました

 試験期間中、試験区ごとに飼料摂取量を毎日測定し、飼料要求率を算定しました。その結果、飼料要求率はすべてのユーグレナ添加区で対照区を下回り、0.05%区で最も低い値を示しました(図2)。

図2:飼料要求率


3. ユーグレナ添加区では、免疫関連細胞数の増加が認められました

 0.01%区では、末梢血中のCD8陽性細胞数※8が対照区と比較して有意に増加しました(p=0.08)。また、末梢血中のMHC Class II陽性細胞数※9についても、対照区と比較して増加傾向が認められました(p=0.1)(図3)。

図3:末梢血リンパ球サブセット解析

※8 CD8陽性細胞:免疫に関わる細胞の一種で、感染した細胞などを認識し、排除する働きに関わる。
※9 MHC Class II陽性細胞:体内に侵入した異物などの情報をほかの免疫細胞に伝え、免疫反応を促す働きに関わる細胞。

 以上の結果から、市販飼料へのユーグレナ添加により、離乳子豚の免疫関連指標が変化する可能性が示されました。また、一部の試験期間では日増体量が高い傾向を示し、飼料要求率においては試験期間全体を通じて すべてのユーグレナ添加区で対照区より良好な値を示しました。 これらの結果から、ユーグレナ配合飼料が離乳子豚の発育や飼料効率に好影響をもたらす可能性が示唆されました。

 今後は、離乳子豚に対するパラミロン給与の影響についても研究を進め、ユーグレナ由来素材の畜水産分野での活用可能性を引き続き検証してまいります。

<国立大学法人宮崎大学について>
宮崎大学は、教育学部・医学部・工学部・農学部・地域資源創成学部の5学部と7大学院研究科を有する国立総合大学で、「世界を視野に、地域からはじめよう」のスローガンのもと、グローバルな影響を常に考慮しつつ、ローカルな場を活動の拠点として、その成果を広く世界に発信することを大切にしています。特に、異分野融合の研究に力をいれており、2007年度に農学工学総合研究科(博士後期課程)を設置したほか、2010年度に日本で初めてとなる医学と獣医学が融合した医学獣医学総合研究科(博士課程)も設置するなど、他大学に先駆けて異分野融合型の研究体制の土台を築いており、関係機関と連携しながら地域の産業振興に役立つ研究と人材育成に力を入れています。
https://www.miyazaki-u.ac.jp

<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。基本戦略として位置付けているバイオマスの5F(Food, Fiber, Feed, Fertilizer, Fuel)に沿って、ヘルスケア事業、バイオ燃料事業を推進。2022年にサステナブルアグリテック(Sustainable Agri-Tech:SAT)領域に本格参入。「人と地球を健康にする」というパーパスのもと、事業成長が社会課題の縮小につながるという「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」の理念のもと、SAT領域では微細藻類由来素材を活用した飼料・肥料分野の研究開発を進めています。飼料分野では、家畜の健康維持と生産性向上への貢献を目指しており、本研究もその取り組みの一環として実施しました。ユーグレナ配合飼料が離乳子豚に与える影響について研究成果を公表するのは、今回が初めてです。
https://euglena.jp

<あすかアニマルヘルス株式会社について>
あすかアニマルヘルス株式会社は「動物の健康と食の安全を守ることにより、人と動物が共生できる社会づくりに貢献する」ことを経営理念として動物用医薬品事業と動物用飼料添加物事業の二本柱で事業を展開しております。我が国の食糧自給の基礎となる畜産及び水産物の生産性の維持向上、さらには犬及び猫等のコンパニオンアニマルの健康維持に有用な動物用医薬品等の研究・開発、製造、輸入、販売を通じて、生産農家様や獣医療関係者様に貢献しています。
https://www.aska-animal.co.jp/index.html



―報道関係者お問い合わせ先―

宮崎大学 企画総務部 総務広報課 広報係

株式会社ユーグレナ 経営戦略部 広報担当

あすかアニマルヘルス株式会社 営業企画推進部

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