ユーグレナのニュース

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ニュースリリース

2022.06.17

微細藻類ユーグレナの貯蔵多糖パラミロンの摂取が
マウスの末梢組織の体内時計の調整に関与していることを確認しました

株式会社ユーグレナ

 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充)は、早稲田大学の柴田重信教授との共同研究により、微細藻類ユーグレナ(以下「ユーグレナ」)の貯蔵多糖であるパラミロン※1の摂取が末梢組織※2の体内時計の調整に関与していることを示唆する研究成果を確認しました。なお、今回の研究結果は、2022年6月10日~12日に開催された第76回日本栄養・食糧学会(https://www2.aeplan.co.jp/jsnfs2022/index.html)にて発表しました。
※1 パラミロン:微細藻類ユーグレナ特有の成分で、細胞内貯蔵物質として生成される多糖類であり、食物繊維の一種。βグルカン
※2 末梢組織:末梢神経(中枢神経から筋肉や感覚受容器へ伸びる神経の総称)が分布する、中枢神経(脳と脊髄で構成される神経細胞集団)以外の組織

■研究の背景と目的
 睡眠・覚醒リズムや体温の変動など環境変化に適用するための周期を作り出す役割として、ヒトの身体には体内時計が備わっていることが知られています。体内時計には、脳にある親時計と末梢組織にある子時計があり、親時計が子時計を制御することで親時計と子時計は同じ時刻を刻んでいますが、これら体内時計の周期は約24時間15分だとされており、実時刻との間に約15分間のズレが毎日生じています。このズレを調整するために必要なのが光と食事で、親時計にとっては朝の光を感じることによって、子時計にとっては朝食を摂ることによって、その刺激で体内時計の位相※3を調整して実時刻周期に同調させています。そのため、夜間の光暴露や夜食、休日の夜ふかしや寝溜めなどによって体内時計は乱れてしまいます(ソーシャル・ジェットラグ※4)。ソーシャル・ジェットラグなどによる体内時計の乱れは、睡眠障害、うつ病、肥満や糖尿病などの代謝障害、免疫・アレルギー疾患、がんの発症などにつながることが明らかになっていますが、近年の研究により、子時計の乱れはある特定の食品成分を摂取することでも調整できることが分かってきています。
 そこで今回の研究では、ユーグレナもしくはパラミロンの摂取が、体内時計に及ぼす影響について確認するために実験を行いました。
※3 位相:周期的な運動をするものが一周期の内のどのタイミングにいるかを示す時刻
※4  ソーシャル・ジェットラグ:社会的時差ボケとも呼ばれており、平日と休日の睡眠時間帯にズレがあるなど、体内時計が社会的な時間と合わない状態のこと。このズレが大きいほど、睡眠の満足度や疲労感などに影響することが報告されている

研究の内容と結果
①パラミロンの摂取が、末梢組織の体内時計(子時計)を調整する可能性が示されました。
 体内時計は、細胞内で幾つかの遺伝子(時計遺伝子)のタンパク質が合成され、それらが相互に結合したり、分解されたりすることを約24時間周期で繰り返すことで調整されていることが近年の研究で明らかになってきています。ヒトが普通に生活をしている状態を想定して、マウスの時計遺伝子発現リズムに、ユーグレナもしくはパラミロンの継続摂取がどのような影響を与えるか検証を行いました。
 具体的には、マウスを
・生理食塩水(以下、コントロール群)
・ユーグレナ(以下、ユーグレナ摂取群)
・パラミロン(以下、パラミロン摂取群)
の3つのグループに分け、3日間同じ時間に経口摂取させ、3日目の投与後に末梢組織である腎臓、肝臓および顎下腺における時計遺伝子の一つであるPER2タンパク質の発現リズムを測定しました※5
 その結果、腎臓、肝臓および顎下腺におけるPER2タンパク質の発現リズムの位相が、コントロール群やユーグレナ摂取群と比較してパラミロン摂取群において有意に前進していました。このことから、パラミロンの摂取は、マウスの末梢組織における体内時計(子時計)の位相を調節する効果を有する可能性が示されました(図1)。
※5 in vivo monitoring system(時計遺伝子PER2に、生体内の発光反応を触媒する酵素として働くタンパク質ルシフェラーゼをつけた遺伝子を組み込んだマウス(PERIOD2::LUCIFERASE K.I.マウス)を用意し、そのマウスに4時間おきに、反応の基質であるルシフェリンを投与することで、生じる発光量を体内時計を制御するタンパク質の発現量として間接的に測定する方法)にて測定

図1図1:マウスのPER2のタンパク質発現リズムの位相

②末梢組織の体内時計(子時計)の調整に、パラミロンによる腸内細菌叢の変化が関与している可能性が示されました。
 近年は体内時計と腸内細菌叢※6が関係していることが分かってきています。ユーグレナの継続摂取が腸内細菌叢の変化に関与すること※7,8,9,10はこれまでの研究からも分かっていますが、①の結果を受け、パラミロンの継続摂取がマウスの腸内細菌叢に関与しているか検証を行いました。
 具体的には、抗生物質を用いて腸内細菌叢を攪乱したマウスに、パラミロンを3日間継続して摂取させ、末梢組織である腎臓、肝臓および顎下腺における時計遺伝子PER2タンパク質の発現リズムを測定しました※4
 その結果、パラミロンを摂取していたにも関わらず、①のマウスにおいて確認されていたPER2タンパク質の発現リズムの位相の前進が見られなくなりました。このことから、①で示された同調効果は、パラミロンによる腸内細菌叢の変化を介している可能性が示されました(図2)。
※6 腸内細菌叢:人間の腸内には多種多様な細菌が生息しており、腸内細菌の集団を腸内細菌叢と言いますが、たくさんの細菌が住んでいる様子が「花畑(flora)」に見えることから、「腸内フローラ」とも言われています
※7 2021年1月15日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20210115-2/
※8 2021年10月22日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20211022-2/
※9 2022年2月14日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20220214/
※10 2022年4月21日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20220421-2/

図2図2:腸内細菌叢を攪乱したマウスのPER2のタンパク質発現リズムの位相

③パラミロンの摂取が、ソーシャル・ジェットラグの状態にあるマウスの末梢組織における体内時計(子時計)を元に戻す可能性が示されました。
 パラミロンの摂取による、末梢組織の体内時計(子時計)の同調効果をソーシャル・ジェットラグの状態にあるマウスに応用し、検証を行いました。
 マウスの明暗飼育環境※11を数日間後退させ、その後に元の明暗条件に戻しても、末梢組織における体内時計(子時計)の位相はゆっくりとしか戻っていきません。そこで、ヒトの休日(土曜日、日曜日)の夜更かしを想定し、2日間においてマウスの明暗飼育環境を6時間後退※12させ、その後、平日(月曜日、火曜日、水曜日)に相当する3日間において元の明暗飼育環境に戻し、マウスの活動期である暗期※13の始めにパラミロンを継続摂取させました。
 その結果、腎臓、肝臓および顎下腺におけるPER2タンパク質の発現リズムの位相が、コントロール群と比較してパラミロン摂取群においてより前進し、元の明暗環境の位相に近づいていました。このことから、パラミロンの摂取は、ソーシャル・ジェットラグの状態にあるマウスの末梢組織における体内時計(子時計)の遅れを改善する効果をも有する可能性が示されました。
※11 8:00~20:00:明条件、20:00~翌8:00:暗条件
※12 14:00~2:00:明条件、2:00~翌14:00:暗条件
※13 マウスは夜行性であるため、夜間が活動期、日中が休息期となる。

図3

図3:ソーシャル・ジェットラグの状態にあるマウスのPER2のタンパク質発現リズムの位相

 ①②③より、パラミロンの摂取が腸内細菌叢の変化に関与し、時計遺伝子の発現リズムの位相を調節すること、また活動期の開始時に摂取することでソーシャル・ジェットラグ状態のマウスの末梢組織における体内時計(子時計)のズレを改善する効果を発揮していることが示唆されました。これまでの研究から、ユーグレナの摂取が睡眠の質を改善する※14ことが明らかになっており、今回明らかになった体内時計の調整はその作用機序のひとつである可能性があります。
※14 2020年5月18日のニュースリリース https://www.euglena.jp/news/20200518-2/

 当社では、からだが本来もつ「つくる・はたらく・まもる」のサイクルを支えるユーグレナの可能性のさらなる解明と、ユーグレナおよびパラミロンなどその含有成分の健康食品、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指し、研究開発を行っていきます。

<微細藻類ユーグレナについて>
ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。

―報道関係者お問い合わせ先―
株式会社ユーグレナ 広報宣伝部

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