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ユーグレナのニュースNews

ニュースリリース

※ ニュースリリースは発表当時の内容を掲載しており、最新の情報とは異なる場合がありますためご注意ください。

2020.03.12

肌細胞におけるメラニン生成に関与する新たなマイクロRNAを発見し、それらの導入によるメラニン生成の抑制が示唆されました
~化粧品開発での活用に期待~

株式会社ユーグレナ
国立大学法人三重大学

 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充、以下「ユーグレナ社」)は、国立大学法人三重大学(三重県津市、学長:駒田美弘)大学院生物資源学研究科伊藤智広准教授との共同研究により、メラニン ※1生成を調節する2種類のマイクロRNA ※2(以下「miRNA」)を発見し、これらの導入により肌細胞におけるメラニン生成が抑制されることを示唆する研究結果を確認しました。今回の研究成果により、肌細胞におけるメラニン生成を抑制する化粧品の開発に活用することなどが期待されます。
 なお、今回の研究結果は、2020年2月7日付でネイチャー・リサーチによって刊行されているオンラインの学術ジャーナル『Scientific Reports』に掲載されました(https://nature.com/articles/s41598-020-58911-w)。
※1 表皮基底層にある色素細胞(メラノサイト) 内のメラノソームと呼ばれる小器官において生成される色素。
※2 マイクロRNAは21〜25塩基から成るタンパク質をコードしないノンコーディングRNAの一種。遺伝子の発現を調節する機能などを有し,人間の体内には2,000種類以上が存在すると言われている。

■研究の背景と目的
 皮膚のシミなどの色素沈着は、ホルモンの異常や紫外線、皮膚局所の炎症などにより過剰に生成されたメラニンが、皮膚内に沈着したものと考えられています。これまでも皮膚の色素沈着を予防、改善するために、メラニン生成を抑制するビタミンCを経口摂取する方法や、ビタミンC、コウジ酸、ハイドロキノンを皮膚に局所塗布する方法などが用いられてきました。その一方、標的遺伝子 ※3の発現を調整する機能などを有するmiRNAを利用して、メラニン生成を抑制し、シミなどの色素沈着を予防、改善する技術開発が望まれていました。
 今回の研究は、標的遺伝子の発現を調整する機能などを有するmiRNAのメラニン生成における機能を明らかにし、メラニン生成抑制剤、美白剤、遺伝子発現抑制剤やそれらを含む化粧品の開発などに活用することを目的としています。
※3 メラニン生成に関与する遺伝子。

■研究内容と結果
①紫外線を照射した際に起こるメラニン生成に関与するmiRNAを発見しました
 マウス由来のメラノサイト ※4をメラノサイト刺激ホルモン(α-MSH) ※5で刺激することで、紫外線を照射した際のメラニン生成過程を再現しました。そして、このメラニン生成過程を解析したところ、メラニン生成を調整する2種(miRNA-141-3pとmiRNA-200a-3p)のmiRNAを新しく発見しました。また、この2種のmiRNAは、α-MSHで刺激すると細胞内でその量が減少することも示唆されました。
※4 表皮基底層にあるメラニンが生成される色素細胞。
※5 下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンの一種。

図1図2

②miRNA-141-3pとmiRNA-200a-3pを細胞内に導入すると,メラニン生成が抑制されました
 メラノサイトをα-MSHで刺激すると前述した2種のmiRNAが減少したのを踏まえ、人工的に作製したmiRNA-141-3pとmiRNA-200a-3pをα-MSHで刺激後の細胞内に導入することで、メラニン生成が抑制されるのかを確認しました。その結果、miRNA-141-3pとmiRNA-200a-3pの導入により、メラニン生成が抑制されることが示唆されました。

図3

※miR-NC :ヒト、マウスまたはラットのいかなる遺伝子も標的としない独自の配列にデザインされたネガティブコントロール試薬であり、miRNAの導入試験の際にコントロールとして用いられる。
※Arbutin:コケモモやウワウルシ、ナシなどの植物の葉に含まれるヒドロキノン配糖体。メラニン生成の律速酵素であるチロシナーゼを阻害することで美白作用を示し、美白用医薬部外品主剤として承認されている。

③miRNA-141-3pとmiRNA-200a-3pの導入により、3次元ヒト皮膚モデルにおいてもメラニン生成が抑制されました
 ヒトの皮膚を模倣した3次元ヒト皮膚モデルを使用して、miRNA-141-3pとmiRNA-200a-3pにより、α-MSHで刺激後のメラニン生成が抑制されるかを確認しました。リポソーム ※6によりmiRNA-141-3pとmiRNA-200a-3pをそれぞれ皮膚モデルに導入し、α-MSHで刺激した培地でメラニン生成を促しました。その結果、3次元ヒト皮膚モデルにおいてもメラニンの生成が抑制されることが示唆されました。これは、miRNA-141-3pとmiRNA-200a-3pにより肌細胞におけるメラニン生成が抑制され、これらのmiRNAの活用による化粧品開発の可能性が期待される結果となります。
※6 細胞内に成分などを導入する実験に利用される球形の小胞。

図4図5

<国立大学法人三重大学について>
三重大学は、三重師範学校、三重青年師範学校および三重農林専門学校を前身として1949年に創立した総合大学で、人文学部、教育学部、医学部、工学部、生物資源学部に地域イノベーション研究科を加えた5つの学部、6つの研究科をはじめ、教養教育院、地域人材教育開発機構、地域イノベーション推進機構、地域拠点サテライト、国際交流センター、総合情報処理センター、学生総合支援センター、国際環境教育研究センター、アドミッションセンターなど、多くの学内共同教育研究施設を擁しています。基本理念は「三重大学は、総合大学として、教育・研究の実績と伝統を踏まえ、「人類福祉の増進」「自然の中での人類の共生」「地域社会の発展」に貢献できる「人材の育成と研究の創成」を目指し、学術文化の受発信拠点となるべく、切磋琢磨する」。http://mie-u.ac.jp/

<株式会社ユーグレナについて>
2005 年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産した微細藻類ユーグレナ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っています。2012 年 12 月東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部市場変更。経営理念は「人と地球を健康にする」。https://euglena.jp

以上

―報道関係者お問い合わせ先―
株式会社ユーグレナ コーポレートコミュニケーション課
国立大学法人三重大学 生物資源学研究科 事務室

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