少食ゆえの
サプリメント少女の大冒険。
“未病”への尽力に目覚め
ユーグレナに入社するまで
「私、子どもの頃は少食だったこともあって、少しでも栄養を補おうとサプリメントに興味があったんです」
そう言いつつ「今ではご飯もモリモリ食べますけど」とほほえむ中島。子どもの頃も、少食なことをなげくというよりは健康に過ごす方法や身体の仕組みに興味津々だったようだ。
「たくさんは食べられないので、その時々に食べるものが大事だなと思っていました。例えば、テレビ通販で自分の知らない健康食品や健康飲料が紹介されるのを楽しみに見ていた」という。そうした自らの経験もあって、大学進学時には健康、特に病気の治療に役立つ分野を学びたいと生物工学科に入学した。癌治療への貢献につながる研究に携わったという。そんな中、興味の対象が「治療」から「未病」へと移り始めた。
「医療や医薬に関わる人ならば、きっと共感してくれると思うんですが、本来私たちが目指すのは、人がその人らしく健康で幸せに生きていけるようにすることですから、治療と同じくらい未病、つまり病気にならないことが大切だと感じ始めたんです」
ちょうどそう思い始めた頃、テレビ番組で、当社社長の出雲がユーグレナについて語るのを見て、大いに共感したのだという。
「直観的にびびっときました(笑)。子どもの頃から、身体に良く、効率的な栄養源となる食べ物について日々考えていましたので『これは私が探していたものかも。この社長さんのいっていること、私と同じ考えだ』と思ったのを覚えています(笑)」
最初は直観だったが、番組を見終わってから出雲の主張を何度も反芻した結果、直観は確信に変わっていったという。
「生物を通じて人や社会に役立とうとアプローチをする時、理想として追い求めることが2つあると思うんです。1つは健康に関すること、もう1つは環境に関すること。どちらかに特化したものはありますが、一つの生物で両方を実現することは難しい。ミドリムシはその両方を実現できるハイブリッドな生物なんだとわかったら、だんだんそわそわし始めて」
ユーグレナが創業以来ずっと発信し続けているミドリムシの貴重な価値。生物で人や社会に役立ちたいと考えていた中島は、そのミドリムシの価値に強く心を動かされた。「ユーグレナでインターンシップをしてみたい」と考えた中島は、さっそくインターネットでユーグレナを検索してみたが、ユーグレナはインターンの募集を告知していなかった。
「私、どうやら行動派みたいで(笑)、ガマンできずに地元から東京のユーグレナに直接電話して、『インターンしたいです』と直談判しちゃいました」
当時のユーグレナは社員20名程度であり、研究職に就いているのはせいぜい10名もいない規模で、インターンの学生を受け入れる想定はしていなかった。しかし、中島の熱意を受け止め、中島はインターンとして働くことに。中島はインターンを通して「とっても良い経験ができた」という。
「特に3つの点で良い経験になりました。1つは、学生の立場でありながら、リアルな仕事のプロセスに参加できたことです。インターンの私でも、お客様と共同で進める製品開発の現場に同席させてもらったり、処方を考えて肝臓保護のための試作品につながる工程に関わったりすることができたんです。2つ目は、研究をした内容がお客様にどう届いていくのかを感じることができたことです。研究した内容が実際に商品になってお客様に届いていくプロセスはとても勉強になりました。そして3つ目は、ミドリムシの魅力を知って、ミドリムシを大好きになったことです」