ユーグレナのニュース

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ニュースリリース

2020.12.02

微細藻類ユーグレナ由来化粧品原料が、肌の免疫力を高め、
肌トラブルの予防や保湿力の向上に寄与する可能性を確認

株主総会ユーグレナ

 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)から抽出した化粧品原料である加水分解ユーグレナエキス※1(以下、「ユーグレナエキス」)が、肌の免疫細胞を活性化するとともに、それを介して、皮膚の保湿成分の1つであるヒアルロン酸の合成を促進することを示唆する研究成果を確認したことをお知らせします。なお、今回の研究成果は2020年12月2日~12月4日開催の「第43回分子生物学会年会※2で発表しました。
※1 加水分解(水の作用により成分が分解する反応)にてユーグレナから得た保湿成分
※2 第43回分子生物学会年会は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、ウェブページを活用したオンライン発表形式で開催されました

■研究の目的
 皮膚は外界と生体組織を隔てている人体最大の臓器であり、病原体のみならず花粉・ちり・ほこりといった微粒子汚れやアレルギー物質をはじめとしたさまざまな異物にさらされています。異物の侵入が起こると、結果的に肌荒れなどの肌トラブルにつながるため、その防御能力を落とさないようにすることが重要になります。
 ヒトの身体は、侵入してきた病原体等をいち早く感知し、それを排除する自然免疫と呼ばれる仕組みを備えており、マクロファージ※3などの免疫細胞がその役割を担っています。免疫細胞は身体のさまざまな組織に分布していますが、皮膚にもランゲルハンス細胞※4と呼ばれるマクロファージ様の細胞をはじめとした免疫細胞が存在しており、異物から肌を守っています。また、マクロファージは末梢組織に侵入した病原体等を呑み込むことで活性化し、ホルモン様のタンパク質であるサイトカインを出して、さらに他の細胞を活性化することが知られています。
 皮膚は、外界に面しバリア機能※5を担う表皮と、その下にあり、ヒアルロン酸等の保湿成分を産生する真皮で構成されており、これまでに当社では、ユーグレナエキスが表皮角化細胞の細胞増殖を促進し、バリア機能を強化すること※6を報告しました。

図1 皮膚の断面図と実験の目的図1 皮膚の断面図と実験の目的

 今回は、免疫細胞と皮膚線維芽細胞※7を用いて、ユーグレナエキスが肌の免疫力を高めるとともに、それを介して、肌の状態を良好に維持する可能性について検討しました(図1)。
※3 白血球の一種で全身の組織に広く分布しており、体内に侵入した異物を貪食する能力に優れています
※4 表皮の上層に存在しており、表皮全体の細胞数の2~5%を占めています
※5 外界の細菌などの侵入から皮膚を保護し、体内の水分が体外に過度に蒸散するのを防ぐ機能
※6 2018年10月16日のリリース https://www.euglena.jp/news/20181016-2/
※7 真皮に存在し、ヒアルロン酸やコラーゲンなど、皮膚のハリや弾力の維持に必要な保湿成分を産生する役割を担っています

■研究の内容と結果
 本研究では、ヒト由来の免疫細胞であるTHP-1マクロファージ※8に、ユーグレナエキスを添加して、免疫細胞の活性化マーカーとなる炎症性サイトカイン※9の遺伝子発現※10に与える影響を調べました。次に、THP-1マクロファージにユーグレナエキスを添加して培養したあと、その培養上清※11を皮膚線維芽細胞に添加して、ヒアルロン酸合成酵素※12の遺伝子発現に与える影響を調べました。
※8 ヒト単球細胞系THP-1細胞をマクロファージに分化させた細胞。分化したTHP-1マクロファージは、炎症反応におけるマクロファージの関与を研究するためのin vitroモデルとして広く使用され、ランゲルハンス細胞の代替として皮膚の感作試験などにも用いられています
※9 細胞間のコミュニケーションに関わるホルモン様のタンパク質で、細胞の増殖・分化・機能発現を担います。免疫系細胞が分泌して、生体内の炎症症状を引き起こすサイトカインを炎症性サイトカインと呼びます
※10 遺伝子がもっている遺伝情報がDNAからmRNA転写され、タンパク質など細胞の構造および機能に変化される過程を示します。本研究では、遺伝子発現量はmRNAのコピー数として定量化しました
※11 上澄み液のこと
※12 ヒアルロン酸合成酵素HAS2(Hyaluronan synthase 2)は、表皮または真皮のヒアルロン酸合成を主に行うことで知られています

ユーグレナエキスが免疫細胞を活性化することが示唆されました
 ヒト由来の免疫細胞であるTHP-1マクロファージにユーグレナエキスを添加しました。
 ユーグレナエキスは、免疫細胞の活性化を示す炎症性サイトカイン(TNF-α,IL-6)の遺伝子発現を有意に高めました(図2)。また、ユーグレナエキスは、ランゲルハンス細胞などの免疫細胞の表面に存在するCD39※13の遺伝子発現も有意に高めました。CD39が高まることによって、外部からの刺激による皮膚の過剰な免疫応答を鎮静化し、肌トラブルの予防に寄与することが期待されます。
※13 細胞表面分子の一種

wordpress用図2

免疫細胞を活性化させることを介して、皮膚の保湿成分を作る力が向上することが示唆されました
 免疫細胞THP-1マクロファージにユーグレナエキスを添加して培養したあと、その培養上清を皮膚線維芽細胞に添加しました。ユーグレナエキスを添加して培養した上清は、皮膚のハリや弾力の維持に必要な保湿成分の1つであるヒアルロン酸の合成酵素(HAS2)にかかる遺伝子発現を有意に高めました(図3)。ユーグレナエキスが免疫細胞を活性化したときに細胞から分泌された成分が、ユーグレナエキス自体と共に皮膚線維芽細胞にはたらきかけることで、皮膚の保湿成分であるヒアルロン酸を合成する力が強化されたと考えられます。

wordpress用 図3

 これらの結果は、ユーグレナエキスが免疫力を高めるとともに、それを介して、皮膚のハリや弾力が良好に維持される可能性を示しています。
 今後も当社は、ユーグレナおよびその含有成分のさらなる解明を通して、健康食品、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指すのみならず、ユーグレナ由来の化粧品原料の研究開発を行っていきます。

<ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
石垣島ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。

以上

―報道関係者お問い合わせ先―
株式会社ユーグレナ コーポレートコミュニケーション課