euglena Project

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「G20軽井沢」にて
ユーグレナバイオ
ディーゼル燃料で
自動車を走らせよ。

要人移動車にユーグレナバイオディーゼル燃料を使用

2019.06-

継続中

車両確保は開催の1週間前
急きょ動き始めたプロジェクト

2019年6月、長野県軽井沢町を会場にして「G20 持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」(以下、「G20軽井沢」)が開催された。

G20軽井沢には展示会イベントが併設され、ユーグレナ社も参画。バイオ燃料事業部に所属する松本は、その年の2月頃から関係省庁とやり取りし、出展準備を進めていた。

当初の予定にはなかったプロジェクトが動き始めたのは、準備も佳境に差しかかる頃。「G20の要人などの移動車に、ユーグレナバイオディーゼル燃料を使用できないか」という相談が舞い込んだのだ。

「会場となった軽井沢では2016年にG7会合が開かれており、その際にはいすゞ自動車が従来型バイオディーゼル燃料を使ったバスを運行していたものの、今回は、要人の移動車に、かつ次世代バイオディーゼル燃料を使うということでさまざまな調整が必要だった」

松本はそう振り返る。

話が持ち上がったのは開催月である6月始め。各省との交渉を進め、正式に実施が決まったのは1週間前だったという。

使用する自動車は、マツダの「CX-8」。マツダはガソリン車が中心の国内乗用車市場において、クリーンディーゼル車を多数ラインナップしているメーカーで、これまでもマツダが参画するひろしま自動車産学官連携会議(ひろ自連)とバイオ燃料に関するプロジェクトにおいて連携実績があった(https://www.euglena.jp/news/180613-2/)。課題となったのはマツダの本社がある広島から長野まで、どうやって車を手配するか。最終的には長野県内の系列ディーラーの協力を得ることができ、1週間前というタイミングで車両を確保した。

「バイオディーゼル燃料への理解が広がりきっていない中で、安全性に懸念を抱かれるケースも少なくない。快く車を出してくれた地元ディーラーさんには本当に感謝している」と松本は話す。

あきもと環境副大臣兼内閣府副大臣(左)と関経済産業副大臣(右) ※2019年6月15日当時

安全性への懸念を覆した
ユーグレナバイオディーゼル燃料

両副大臣を乗せた移動車には、通常の軽油にユーグレナバイオディーゼル燃料を26%混合した。これは、パリ協定(国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された国際協定)において、日本が2030年までに温室効果ガスの排出水準を2013年から26%削減する目標とすることに合わせたものだ(https://www.euglena.jp/news/20190617-2-2/)。

「日本の法律上、従来型バイオディーゼル燃料の混合率の上限は5%だが、次世代バイオディーゼル燃料である『ユーグレナバイオディーゼル燃料』は性質が市販の軽油と同等で、既存のディーゼルエンジンで100%使用することができ、性能も市販の軽油と同等であることが確認されている(いすゞ自動車によるエンジン試験において)」

松本が語るこの品質こそが、ユーグレナバイオディーゼル燃料の新たな可能性を示唆する要素だ。

従来出回っていたバイオディーゼル燃料は石油系燃料とは異なる組成のため、実用面ではさまざまな課題を抱えていた。例えば、酸化劣化物が生成され易い組成のため燃料から固形物が噴出し、燃料フィルターや燃料噴射ノズルの目詰まり等の不具合が発生する為、安全対策として特別な措置が必要となる点が挙げられる。このような安全性にも関わる課題は、バイオディーゼル燃料がなかなか日の目を見ない要因となっていたのだ。

しかしユーグレナバイオディーゼル燃料は、市販の石油系軽油と同等の組成であり、安全対策などの特別な措置は必要ない。また、植物由来であるためユーグレナ培養段階で二酸化炭素を吸収することができ、カーボン・オフセットにもつながる。

「私たちが普段使っている軽油をすべてユーグレナバイオディーゼル燃料に入れ換えれば、従来の二酸化炭素の排出量を大幅に削減できる」と松本はその意義を強調する。

従来の軽油と同等の数値を示すユーグレナバイオディーゼル燃料(出展:いすゞ自動車株式会社)

地球上の少しでも多くの場所で自立的に
エネルギーを確保することができれば、
世界の争い事を減らせるのではないか

大学および大学院では薬学部で有機合成分野の研究に携わっていた松本。就職先としてユーグレナ社を選んだのは、ヘルスケア分野と共に環境・エネルギー分野へも関心を抱いていたからだった。

「薬学部で博士課程まで進むと、周りは製薬会社の研究者やアカデミアに残る道を選ぶ人が多い。しかし自分は少し違う世界も見てみたいと思った」

生まれは東京・墨田区で、現在では東京スカイツリーがそびえ立つ一角。しかし歴史を紐解けば、太平洋戦争中に東京大空襲で壊滅的な被害を受けた街でもある。

「祖父母からは戦争で悲惨な状況に陥った地元の歴史を聞いて育った。色々な考え方はあるものの、戦争の遠因の1つはエネルギー問題にある。地球上の少しでも多くの場所で自立的にエネルギーを確保することができれば、世界の争い事を減らせるのではないかと考えていた」

そんな思いのもとで自分が進むべき道を模索していたときに、大学の研究室の指導教員から教えてもらったのがユーグレナ社の存在だったという。

設立10年程度のベンチャー企業であり、貧困・栄養問題だけではなく、環境・エネルギー問題に柔軟に取り組んでいる会社。化学分野の出身者が比較的少なそうに思えたことから、「逆に自分の化学の知識が存分に生かせるのではないか」とも感じた。

こうして松本は2016年にユーグレナ社へ仲間入りしたのだった。

内定式で挨拶する松本

存在感を増す
ユーグレナバイオディーゼル燃料

光合成で生育するユーグレナを活用すれば、二酸化炭素を吸収しながらバイオ燃料を製造できる。農作物が育ちにくい土地でも、水などの資源があれば燃料の原料を確保できる。

足元では、原料であるユーグレナの大規模生産を加速させるため、インドネシアやコロンビアでユーグレナ大量培養施設を展開するという新たなプロジェクトが開始している。

こうした状況を踏まえて松本が次に挑むのは、2020年内の実現を目指す「バイオジェット燃料による航空機の有償フライト」だ。

2020年1月には、航空機に搭載するジェット燃料の製造技術の国際規格であるASTM認証を取得。2月には、この国際規格と歩調を合わせる形で国土交通省の通達が一部改正・施行され、日本国内でもユーグレナ社が製造するバイオジェット燃料が使用できるようになった。

松本は現在、実証製造プラント調整に加え、「航空会社や国土交通省などとの交渉・調整を経て、有償フライトを実現させる」というミッションに挑んでいる。また、その眼はすでに2025年を見据えている。

「2025年の完成を目指す商業プラントが実現すれば、プラントの製造能力は現在の約2000倍になり、1リッターあたりの製造コストを100円台にし、既存の軽油と価格競争することも夢ではない。ユーグレナバイオ燃料を使用する車や航空機が日本中を行き交う未来も現実味を帯びてきている」

日本をバイオ燃料先進国にすべく、松本とユーグレナ社バイオ燃料事業の歩みは続く。

※ディーゼル燃料=軽油

2020年4月掲出

euglena Data

~『GREEN OIL JAPAN』2030年までの取組み~

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vol.22

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vol.23

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©2018 MELTIN MMI

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vol.27

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vol.28

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vol.37

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