euglena Project

35

健康寿命を伸ばす
ミドリムシの可能性を
発見せよ。

「ヒト臨床試験」を実施

2017.06 –

継続中

お客さまの体感値を科学的に解明するため
「ヒト臨床試験」実施を提案

「ヒト臨床試験を行うべきだと思うんです」

中島綾香がそう提案したのは、2017年から始まったユーグレナの素材ブランディング・プロジェクトの席上だった。

中島をはじめ、日々ユーグレナを摂取する仲間(社員)の多くが、人の健康に貢献する「ユーグレナの総合力」に実感を持っていた。しかし同時に、「ユーグレナの総合力」をお客さまに伝えることの難しさも実感していた。より具体的な良さや価値を明らかにし、世の中で注目され始めている健康寿命の延伸につながることを伝えられないか。

ユーグレナの素材研究を担う立場として素材ブランディング・プロジェクトに参加していた中島には、そんな思いがあった。

素材ブランディング・プロジェクトの様子

お客さまの声では、「便通がよくなった」「風邪を引きにくくなった」などのお声も多いが、「ユーグレナを摂取していないと何だか体がしんどい」といった総合的な改善に関するものも多い。こうした声に着目する研究者は決して多くはないが、中島は「お客さまの『体感値』を科学的に解明できるのではないか」と考えていたのだ。

ユーグレナ社では、それまで小規模な臨床試験や動物試験を積み重ねていたが、多くの人の協力を必要とするヒト臨床試験は実施できていなかった。

このようなヒト臨床試験が実現した背景には何があったのか――。

ユーグレナは、なんて面白い子なんだろう

2012年に新卒でユーグレナ社へ入社した中島は、ずっと研究セクションに身を置いてキャリアを積んできた。10代の頃からヘルスケア分野に興味を持ち、大学では生物工学を学んだ。

関心の根元にあるのは自身の原体験。小さい頃から食べるのが遅かった中島は、集団生活の中では少食にならざるを得ず、学校の給食の時間は周囲に気を遣って少なめに盛り付けてもらっていたという。「私は栄養が足りていないかも…」― そんな不安から、子供ながら健康に関する情報にアンテナを張り、サプリメントなどにも詳しくなった。

ユーグレナ社を知ったきっかけは、健康素材の情報を得ようといつも見ていたテレビの通販番組。ユーグレナを使ったサプリメントがあるということ、そしてユーグレナにはまだまだ未知の可能性があるということ、を知った。

「(ユーグレナは)なんて面白い子なんだろう」
「私がその可能性を解き明かしたい」

研究者としてのキャリアを歩み始めた瞬間だった。

経営陣から問いかけられた
「研究者としての覚悟」

中島が立案したヒト臨床試験の期間は6カ月。外部から60名超の被験者を集める計画で、最小の予算で最大の効果を上げるために考えを練り続けた。

直属の上司であり研究開発部門のトップである鈴木健吾(現・執行役員 研究開発担当)はもちろん、素材ブランディング・プロジェクトを管掌する永田暁彦(現・取締役副社長)や福本拓元(現・執行役員 営業担当)、そして社長の出雲充にも話を通さなければならない。

多くの協力者と研究費を必要とする企画を実現するため、中島は役員陣とのミーティングを重ねた。そこで問われたのは「研究者としての覚悟」だったという。

「この研究が、今、最も必要なんだね?」

その問いかけは、コスト面やマーケティング面での成果だけを気にして投げかけられたものではなかった。最終的に中島に問われたのは、ユーグレナ社として「何を発信していくべきか」ということへの覚悟だった。

「全ての研究は必ずしも良い結果が出るとは限らない。それでもYESと答えるのに迷いはなかった。」

臨床試験を実施したからといって、必ずしもこれまでにない発見があるとは限らない。だけど、声を出せないユーグレナの代弁者として、臨床試験を実施したかった。

中島はそう振り返る。

健康寿命を支える新たな発見へ

臨床試験では50〜70歳の女性、計62名の協力を得て研究が進められた。ユーグレナを摂取することによる脳や筋肉、骨、代謝機能、腸内環境、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)など、ヒトの体への幅広い影響を調べていった。

被験者をユーグレナを摂取するグループと、ユーグレナを摂取しないプラセボグループに分け、6カ月にわたってサプリメントを摂取し続けてもらった。臨床試験は研究者の恣意的な要素が加わらないよう、「誰が何を飲んでいるか分からない状態」で続けられる。長い摂取期間の中、最終的な結果を得て解析するまでは途中経過はわからないため、自分が最初に立てた仮説とそして何よりミドリムシの力を信じるしかなく、中島は歯がゆい思いもしながら見守っていたという。

臨床試験の結果、健康寿命を支える複数の新たな発見が得られた。

具体的には、脳の神経細胞の増加に不可欠なたんぱく質である脳由来神経栄養因子(BDNF)の上昇、脳からの指令で身体が動く速度(認知機能速度・運動速度)の向上、そして心の健康スコアの改善などが確認できた。そして、これらの成果は、2019年5月に開催された第73回日本栄養・食糧学会で発表された。

シンガポールで研究内容などを発表する中島

研究者の立場を超えて、
お客さまとの接点を増やしていく

「研究者として、もっともっとお客さまの声を聞きたい」

ヒト臨床試験によって新たな確信を得た中島は、研究者の枠を超えて、新たなチャレンジを続けている。お客さまを招いて開催した「ユーグレナ・フェス」もその一環だ。

ユーグレナ・フェスではさまざまなお客様から意見をいただいた

第1回目のユーグレナ・フェスでは、日頃からのお客さまへの感謝の気持ちを伝えるとともに、ユーグレナの魅力をもっと知っていただくために、社長出雲の講演や経営陣の対談、展示・体験型の事業紹介、ユーグレナを活用した食事メニューの提供などを企画。臨床試験で得られた結果も紹介した。

「裏付けがあることで、より多くの人に安心していただける。この場で臨床試験の結果を伝えられてよかった」

そう話す中島は、今後も研究者の立場を超えて、お客さまとの接点を増やしていくことを考えているという。

「地球上の生物として人間よりもはるかに大先輩であるユーグレナを、注目の集まる場所に引っ張り出したのは私たち。だから私たちには、その良さを伝え続けていく責任がある」

ユーグレナは5億年前から存在し、17世紀に顕微鏡ができてから人の目で確認されたと言われている。しかし、今でも、ユーグレナには未知の可能性がまだまだ残されている。中島が進めるユーグレナの研究や伝道者としてのアプローチは、ヒトの健康寿命を伸ばすだけでなく、研究職のあり方をも変えていくのかもしれない。

2019年12月掲出

euglena Data

~ユーグレナは個性的~

大きさや形など1つ1つ個性的なユーグレナ

登場人物

先端技術研究部 機能性術研究課
課長
中島 綾香

2012年4月、新卒入社。入社後、研究開発本部でユーグレナの機能性研究に従事。各種学会などでユーグレナに関する研究成果の発表を行う。

「ヒト臨床試験は、経営陣の理解はもちろん、課のメンバーや外部パートナー、被験者などの協力がなければ実現できませんでした。これからもお客様の声などからヒントを得て、ユーグレナのすばらしさを発見していきたいと考えています」

euglena Projects

vol.00

バングラデシュの子どもたちを
救う素材を探せ。

vol.01

誰もなし得ていない、ミドリムシの
屋外大量培養技術を確立せよ。

vol.02

ミドリムシを
300億円市場に育て上げよ。

vol.03

バングラデシュの
全ての小学校に給食を。

vol.04

煙突から排出されるCO2
ミドリムシを培養せよ。

vol.05

ミドリムシの化粧品事業を
立ち上げよ。

vol.06

日本初のバイオジェット燃料
製造プラントを建設せよ。

vol.07

「ミドリムシ」の名前を
武器にせよ。

vol.08

中国にミドリムシを
普及せよ。

vol.09

スーパーユーグレナを
獲得せよ。

vol.10

バングラデシュの
貧困問題を
緑豆事業で解決せよ。

vol.11

ミドリムシでタケダと
新商品を開発せよ。

vol.12

下水処理場の下水を活用し、
ミドリムシを培養せよ。

vol.13

ユーグレナの仲間の
「行動指針」を作成せよ。

vol.14

日本独自の技術で、
ミドリムシを培養せよ。

vol.15

仲間がより働きやすい
オフィスを追求せよ。

vol.16

ゆーぐりん保育園を
オフィスに併設せよ。

vol.17

ミドリムシで石垣島の
地域活性化に貢献せよ。

vol.18

ミドリムシの認知度を上げる
新商品を共同開発せよ

vol.19

ミドリムシのカフェを
石垣島で開店せよ。

vol.20

ミドリムシを飼料にして
比内地鶏を育成せよ。

vol.21

ミドリムシ入りディーゼル燃料を
いすゞ自動車と共同で実用化せよ。

vol.22

ミドリムシを使った
バイオ燃料を生産せよ。

vol.23

研究系ベンチャーを
ヒト、モノ、カネで支える
新しいファンドを確立せよ。

©2018 MELTIN MMI

vol.24

ミドリムシとクロレラで世界初の
ASC-MSC藻類認証を取得せよ。

vol.25

グループ企業との
シナジーを構築せよ。

vol.26

新しい仲間と、
遺伝子レベルで人を健康にせよ。

vol.27

自由が丘と
ミドリムシを普及せよ。

vol.28

ミドリムシサプリメントの
加工工場を立ち上げよ。

vol.29

理科のチカラで石垣島の
地域活性に貢献せよ。

vol.30

新しいミドリムシの
基幹化粧品を開発せよ。

vol.31

ロヒンギャ難民の
食料問題解決に貢献せよ。

vol.32

ミドリムシ由来の美容成分を
研究解明せよ。

vol.33

学生のチャレンジを応援!
通年採用を開始せよ。

vol.34

ミドリムシとクロレラで
ハラール認証を取得せよ。

vol.35

健康寿命を伸ばすミドリムシの
可能性を発見せよ。

vol.36

竹富島のクルマエビ養殖事業を
発展させよ。

vol.37

「G20軽井沢」にてユーグレナバイオディーゼル燃料で自動車を走らせよ。

vol.38

石垣島ユーグレナの魅力を伝えるキャラクターを企画せよ。

vol.39

CFO(最高未来責任者)を募集・選考せよ。