euglena Project

01

誰もなし得ていない、
ユーグレナの屋外大量
培養技術を確立せよ。

世界初の微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養

2005.12.16

完了

※ 2005年当時の設備(現在とは異なる)

技術を確立せずに起業

一ヶ月で、わずか耳かき一杯分。
ユーグレナ社を創業した出雲充は悩んでいた。2005年の夏時点で、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を培養できる量はこれが限界だった。食物連鎖の最下層に位置するユーグレナは、その栄養価の高さゆえに、バクテリアやプランクトン、昆虫などにとってもごちそうとなる。どんなにクリーンな環境で培養しても、外部から他の微生物がわずかでも侵入すれば、たちまち食い尽くされてしまう。これまで、世界中のどんな研究者もこの壁を乗り越えることはできていない。
「どうしたらユーグレナだけを大量に増やすことができるだろうか」

耳かき一杯分に一ヶ月かかっていては、事業化はとうてい不可能である。しかし、出雲は必ず成功させるという覚悟でユーグレナ社を立ち上げた。そう、培養技術が完成したから会社を作ったのではない。絶対に大量培養を成し遂げようと自分たちを追い込むために、会社を作ったのだ。もちろん、一か八かの大きな賭けだった。

顕微鏡で見るユーグレナ

この出雲の決心が、ユーグレナ研究の権威である大阪府立大学の中野長久先生を動かした。「若い二人に力を貸してやってくれないか」と日本中の先生方に声をかけてくれたのだ。そのおかげで出雲と鈴木は先行する先生方のデータを基に研究を進めた。

発想の転換

「どんなにクリーンな環境を作ろうとしても、微生物や異物の混入をゼロにするには莫大なコストがかかる。だが、そんな無菌状態でしか繁殖できないなら、ユーグレナはとっくに絶滅しているはずだ。ひょっとして自然界には、ユーグレナだけが繁殖できるような環境があるのではないか……?」

そう考えた出雲は、実際の研究を手がける取締役の鈴木とともに、ある発想の転換をした。「異物を混入させないクリーンな環境」を作るのではなく、「ユーグレナしか生きられないような培養環境」を目指す方向に切り替えたのだ。

たとえば、蚊の侵入を防ぐには蚊帳を二重三重にすればいいが、人が出入りするときに必ず隙間はできる。ひとたび中に蚊が入ってしまえば、血は吸われ放題だ。しかし、蚊取り線香はどうだろう。オープンな環境なので近付こうと思えばいくらでも近付けるが、煙を嫌がって蚊は逃げていき、血を吸われずに済む。つまり、「入れるけれども、ユーグレナ以外は嫌がって近寄れない培養環境」を作ればよい。

そして、2005年12月16日。会議室で今後の会社の運営を話し合う出雲のもとへ、石垣島の鈴木から電話があった。

左から時計回り 鈴木、恩師の中野先生、出雲

「出雲さん、やりましたよ! プールがユーグレナでいっぱいになりました」
「本当か!」
「ええ、今も順調に増え続けています。培養成功といって間違いありません。これから“収穫”します!」
“いつかは成功できる”と思っていたが、“いつまでにできる”か確信はなかった。鈴木からの知らせを受けて出雲は天にも昇る思いだった。

このとき穫れたユーグレナは、乾燥した状態で66キログラム。これまでグラム単位でしか培養できなかったユーグレナに、事業化の道が開けた瞬間だった。大量培養の研究を始めて3年後、会社の設立から4ヶ月後のできごとである。(なお2017年 4月現在では、年間で最大160トンの生産能力を持つまでになっている)。

ユーグレナの培養成功は、大阪府立大の中野先生をはじめ、ご協力下さった先生方のお力無くしては到底実現できないことだった。まさしく、日本中の研究者が総力を上げて何十年も続けてきた研究のバトンを最終ランナーとして出雲と鈴木は受け取り、培養というゴールテープを切る栄光を与えてもらったのだ。

euglena Data

~ユーグレナに含まれる栄養素について~

登場人物

  • 代表取締役 社長出雲 充

    「中野先生をはじめとするユーグレナを研究されてきた先生方のおかげです。嬉しいという気持ちはもちろん、成功させることができてホッとした気持ちも大きかったです。」

  • 執行役員
    研究開発担当
    鈴木 健吾

    「今まで研究されてきた皆様の知恵とアイデアを結集させることで、新しい素材を提供できる体制が整ったことが嬉しかったです。今後さらに、より良い商品・サービスを提供できる研究開発に邁進していきたいと思います。」

euglena Projects

vol.00

バングラデシュの子どもたちを
救う素材を探せ。

vol.01

誰もなし得ていない、ユーグレナの
屋外大量培養技術を確立せよ。

vol.02

ユーグレナを
300億円市場に育て上げよ。

vol.03

バングラデシュの
全ての小学校に給食を。

vol.04

煙突から排出されるCO2
ユーグレナを培養せよ。

vol.05

ユーグレナの化粧品事業を
立ち上げよ。

vol.06

日本初のバイオジェット燃料
製造プラントを建設せよ。

vol.07

「ミドリムシ」の名前を
武器にせよ。

vol.08

中国にユーグレナを
普及せよ。

vol.09

スーパーユーグレナを
獲得せよ。

vol.10

バングラデシュの
貧困問題を
緑豆事業で解決せよ。

vol.11

ユーグレナでタケダと
新商品を開発せよ。

vol.12

下水処理場の下水を活用し、
ユーグレナを培養せよ。

vol.13

ユーグレナの仲間の
「行動指針」を作成せよ。

vol.14

日本独自の技術で、
ユーグレナを培養せよ。

vol.15

仲間がより働きやすい
オフィスを追求せよ。

vol.16

ゆーぐりん保育園を
オフィスに併設せよ。

vol.17

ユーグレナで石垣島の
地域活性化に貢献せよ。

vol.18

ユーグレナの認知度を上げる
新商品を共同開発せよ

vol.19

ユーグレナのカフェを
石垣島で開店せよ。

vol.20

ユーグレナを飼料にして
比内地鶏を育成せよ。

vol.21

ユーグレナ入りディーゼル燃料を
いすゞ自動車と共同で実用化せよ。

vol.22

ユーグレナを使った
バイオ燃料を生産せよ。

vol.23

研究系ベンチャーを
ヒト、モノ、カネで支える
新しいファンドを確立せよ。

©2018 MELTIN MMI

vol.24

ユーグレナとクロレラで世界初の
ASC-MSC藻類認証を取得せよ。

vol.25

グループ企業との
シナジーを構築せよ。

vol.26

新しい仲間と、
遺伝子レベルで人を健康にせよ。

vol.27

自由が丘と
ユーグレナを普及せよ。

vol.28

ユーグレナサプリメントの
加工工場を立ち上げよ。

vol.29

理科のチカラで石垣島の
地域活性に貢献せよ。

vol.30

新しいユーグレナの
基幹化粧品を開発せよ。

vol.31

ロヒンギャ難民の
食料問題解決に貢献せよ。

vol.32

ユーグレナ由来の美容成分を
研究解明せよ。

vol.33

学生のチャレンジを応援!
通年採用を開始せよ。

vol.34

ユーグレナとクロレラで
ハラール認証を取得せよ。

vol.35

健康寿命を伸ばすユーグレナの
可能性を発見せよ。

vol.36

竹富島のクルマエビ養殖事業を
発展させよ。

vol.37

「G20軽井沢」にてユーグレナバイオディーゼル燃料で自動車を走らせよ。

vol.38

石垣島ユーグレナの魅力を伝えるキャラクターを企画せよ。

vol.39

CFO(最高未来責任者)を募集・選考せよ。

vol.40

国産カラハリスイカを
栽培せよ。

vol.41

日本初となる「バーチャルオンリー
株主総会」を開催せよ。

vol.42

次世代バイオディーゼル燃料を
普及させよ。

vol.43

コーポレート・
アイデンティティを刷新せよ。

vol.44

石垣島生まれの
ユーグレナを浸透させよ。

vol.45

ユーグレナ由来の
肥料研究を加速させよ。

vol.46

日本の空をバイオ燃料で
クリーンにせよ。

vol.47

オフィス環境を改善し、
仲間の生産性を向上させよ。

vol.48

化粧品における
サステナビリティを追求せよ

vol.49

次の新素材「ミドリ麹」の
価値を世に拡げよ。

vol.50

ユーグレナの
ESG経営を加速させよ

vol.51

未来世代アドバイザリーボードを
設置せよ。