~バングラデシュからの「ユーグレナGENKIプログラム」レポート~


2020年2月の活動報告
~娘の夢が叶うことを願う伝統工芸職人の父親~

株式会社ユーグレナ
海外事業開発部 / バングラデシュ事務所

今期(2019年10月~2020年9月)のユーグレナクッキー配布目標210万食に対し、2月までに約95万食(進捗率:45.5%)を配布しました。

1.娘の夢が叶うことを願う伝統工芸職人の父親

ダッカのスラム街ジェノバキャンプで暮らすアフリンちゃん(8歳)は、GENKIプログラム対象校であるBLS OBAT小学校の3年生です。アフリンちゃんの将来の夢は、誰からも尊敬される学校の先生になることで、伝統工芸職人である父親のハッサンさん(42歳)は、なんとか娘の夢を叶えたいと強く願い、ほぼ毎日12時間仕事をしています。「私の仕事カルチュピ(バングラデシュ伝統衣服に装飾を施す刺繍)は、とても緻密な作業で、正確さと集中力が求められます。長時間座った作業姿勢を続けるので、視力低下と背中の痛みに悩まされています」と彼は話します。こうした伝統工芸職人としての月収は約7,000円で、決して高くはありません。そのため、他に日雇い仕事も掛け持ちし、家計を支えています。現在、バングラデシュは、中国に続く世界第2位の衣料品輸出国で、日本向け全輸出品目のうち衣料品が77.8%(金額ベース1,516億円、出所:JETRO2018年データ)を占めています。しかし、この主要産業を支えるバングラデシュ国内での衣服縫製の仕事は低賃金(例えばハッサンさんが衣服一着あたりの仕事で得る収入は300円前後)で、対象従事者は長時間労働せざるを得ないという一面があります。
 ハッサンさんも幼い頃は、娘のアフリンちゃんと同じく学校の先生になるという夢を持っていました。しかし、貧しい家庭環境のため小学校2年生で学校を退学し、家計を助けるため様々な仕事をしていたため自分の夢は諦めざるを得なかったと後悔しています。「娘にはこのまま勉強を続けて、将来、必ず学校の先生になって欲しい。そのためには長時間の仕事をまだまだ頑張りますよ」とも話してくれました。アフリンちゃんも父親の体調を気遣い、休日や通学後の時間を使って仕事を手伝っています。最後に、「娘が学校で栄養豊かなユーグレナクッキーを食べることが出来て、家計や本人の健康維持の面でとても助かっています。本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えてくれました。

2.伝統的な食文化を受け継ぐ『ピタ・フェスティバル』で深める家族間交流

2016年12月レポートで、バングラデシュ冬の風物詩として「ピタ」という温かい蒸し菓子をご紹介しましたが、今回はピタにまつわるGENKIプログラム対象校でのお話です。  ピタはバングラデシュで数百年前から続く、冬の伝統的な食文化の1つです。主に米粉または小麦粉を練った生地でいろいろ具材を包み込んで小さい球状に形を整え、蒸したり焼いたりします。具材は煮詰めた砂糖やココナッツなどの果物で甘味を増す方法や、炒めた大根やじゃがいも、キャベツなどの野菜を詰め込んで風味を出すなど工夫されています。
 農村では米を収穫した後、来客を迎える特別な機会に、米粉の生地から作ったピタを振る舞うおもてなしの伝統がありました。現代ではすこし変化し、家族や親戚、友人も多く集まり参加する行事となっています。そして家族間のみの行事に留まらず、学校などさまざまな団体で娯楽色を強めた催しとしても広がっています。GENKIプログラム対象校のDAMミッション小学校でも、去る2月24日にピタ・フェスティバルが開催されました。イベントの主催者であるリポン先生は次のように話します。「生徒たちの両親は共働きのため、家庭では皆がとても忙しく過ごしています。家族でイベントを行う時間的な余裕が無いのです。そこで私たち教師が生徒と家族が集う学校行事として企画しました」
 当日、学校内の会場は600名を超える生徒、保護者、先生たちの活気で溢れました。終日、生徒たちは歌を唄ったり踊りを披露したり、ピタ作り実演を行ったりしました。アリ校長は「スラム街で暮らす生徒たちは、家族で一緒に楽しめるゆとりがほとんどありません。今日はまさにそのチャンスとなりました。自国の伝統文化を継承することに敬意を払いながら、生徒と保護者、そして学校の先生たちも含めた交流を図ることがこのイベントの意義だと感じています」と思いを話してくれました。学内での勉強のみならず、生徒の家庭環境にも配慮する学校の積極的な姿勢が垣間見えました。私たちも引き続き子供たちの健康に貢献すべくGENKIプログラムに取り組んでまいります。


引き続きご支援をよろしくお願いいたします。