人間は誰しも、ある一定の年齢を超えると加齢とともに身体機能が低下し、老化が始まりますが、実年齢よりも若く見える人、老けて見える人など、老化のスピードには個人差があります。老化のスピードや寿命は、食生活や運動習慣、ストレスなどといった環境因子が大きく関係しますが、これまでに行われた数多くの研究によって、遺伝要因も影響していることが明らかになっています。

ユーグレナ社では、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとに、ヒトの寿命に関与する遺伝子項目を解析し、「95歳以上まで生きる可能性が高めの遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を公開しました。

■ヒトの寿命に関与する遺伝子型とは?

近年、老化や寿命の制御に重要な役割を果たすとされる遺伝子として、長寿遺伝子のサーチュインがよく話題に挙げられます。その活性化に関与する成分が入ったサプリメントが話題になるなど、長寿やアンチエイジングは多くの人にとって関心が高いテーマです。

その他にも多くの遺伝子が関与することが分かっていて、例えば、細胞寿命を決定するとされているテロメア長(遺伝子末端の繰り返し配列)を調節するテロメアーゼ遺伝子、活性酸素を除去するスーパーオキシドジスムターゼ遺伝子が同定されています。

また、100歳以上の長寿者に多い遺伝子多型の解析も進められていて、ACE(血圧を調整)やAPOE(動脈硬化に関与)、PAI-1(血液凝固に関与)、HLA(免疫応答)、ND2(ミトコンドリア遺伝子でエネルギー代謝に関与)などの遺伝子多型があります。

■遺伝子解析項目「95歳以上まで生きる可能性(SNP:rs2764264)」について

アメリカのパシフィックヘルス研究所の研究チームが、長期の疫学研究に参加した日系アメリカ人男性615人を対象に、95歳以上生存したグループを長寿、81歳までに亡くなったグループを平均的な寿命として、複数の長寿候補遺伝子の遺伝子型に違いがあるかを調査しました。その結果、アポトーシス(細胞死)に関与するFOXO3という遺伝子上のSNP:rs2764264という遺伝子型において「C」を持っているほど95歳以上まで生きる可能性が高い傾向があると分かりました。

遺伝子解析項目「95歳以上まで生きる可能性(SNP:rs2764264)」は、ヒトの寿命に深く関与する項目で、遺伝子型は次の3つのタイプがあります。

  • 95歳以上まで生きる可能性がより高めのタイプ(遺伝子型:CC)
  • 95歳以上まで生きる可能性が高めのタイプ(遺伝子型:CT)
  • 95歳まで生きる可能性が一般的なタイプ(遺伝子型:TT)

■「95歳以上まで生きる可能性が高めの遺伝子タイプ」が多い都道府県ランキング

今回、ユーグレナ社の調査では、「95歳以上まで生きる可能性がより高めのタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人と「95歳以上まで生きる可能性が高めのタイプ(遺伝子型:CT)」に該当する人の割合を足して、都道府県(出生地)別に算出し、数値化しました。

ゲノムデータの解析結果による、95歳以上まで生きる可能性が高めの遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 新潟県、2位 栃木県、3位 群馬県、4位 京都府、5位 埼玉県、岡山県、7位 鹿児島県、8位 富山県、9位 岐阜県、10位 島根県となりました。

男女別にみますと、男性は、1位 福井県と和歌山県(52.50%)、3位 群馬県(52.13%)で、女性は、1位 佐賀県(56.25%)、2位 鹿児島県(54.76%)、3位 奈良県(54.10%)でした。それぞれの1位と最下位との差は、男性が18.80ポイント、女性が21.91ポイントで、約2割の差がありました。

【全ランキング結果はこちら】

【調査概要】
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2023年8月
調査項目:ゲノムデータ「95歳以上まで生きる可能性(SNP:rs2764264)」の項目について、「95歳以上まで生きる可能性がより高めのタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人と「95歳以上まで生きる可能性が高めのタイプ(遺伝子型:CT)」に該当する人の割合を足して、都道府県ごとに算出

■日本人の約4割が95歳以上まで生きる可能性が高いタイプ!

今回の調査で、遺伝子解析項目「95歳以上まで生きる可能性(SNP:rs2764264)」に関して、日本人における遺伝子型の割合は、

  • 95歳以上まで生きる可能性がより高めのタイプ(遺伝子型:CC)・・・4.6%
  • 95歳以上まで生きる可能性が高めのタイプ(遺伝子型:CT)・・・34.9%
  • 95歳まで生きる可能性が一般的なタイプ(遺伝子型:TT)・・・60.5%

でした。つまり、この遺伝子だけに注目すると、日本人の約4割が95歳以上まで生きる可能性が高いタイプと言えます。ご自身のタイプが気になる方は、「遺伝子解析サービス」を試してみてはいかがでしょうか。

【ユーグレナ・マイヘルス遺伝子解析サービスとは】
個人の健康リスク・体質・祖先について350項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかについて結果を提供するサービスです。

遺伝子解析項目は定期的にアップデートしていて、2023年8月には、「高血圧症」と「身長」の2つの項目の更新を実施しました。ポリジェニックスコア(PGS)を用い、これまでより高い精度の解析結果を提供しています。詳しくはこちらをご覧ください。