バングラデシュ児童のスマートフォン活用状況
【2022年3月の活動報告②】

2022年3月の活動報告 その②です。①はこちらで公開しています。
新たな地域でのユーグレナクッキー配布開始【2022年3月の活動報告①】

1.GENKIプログラム対象校の子どもたちのスマートフォン活用状況

今やスマートフォン(以下、スマホ)は生活に欠かせない必需品となっています。

総務省の2020年の調査によると、日本でもスマホの普及が進んでおり、9割弱の世帯が保有しています※1。子どもたちのスマホ所有率も高く、子どもが自分専用のスマホを所有している割合は小学校低学年で15%、高学年で33%、中学生で79%という調査結果も出ています。※2

では、バングラデシュ全体、そしてGENKIプログラム対象校の子どもたちはスマホをどのように使用しているのでしょうか。

バングラデシュでも、近年スマホの普及が拡大しており、2020年のスマホの保有率は41%です※3

スマホ本体の販売価格は平均約11,000円ですが※4、約3,500円程度のインド製や中国製の格安スマホも売られているため※5、スラム街の人たちも購入することが可能です。年齢を問わず自撮りが大好きといわれるバングラデシュ人は、撮影した写真や動画を即座にソーシャルネットワーク(以下、SNS)で共有することが多いです。

2021年のある調査によると、バングラデシュではSNSの利用者の64%がFacebookを使用し、31%がTwitterを使用し、家族や友人、様々な人とのコミュニケーション、情報収集に盛んに活用されています。※6

※1 総務省 デジタル活用の現状
※2モバイル社会研究所 子どものスマホ所有率上昇 小学生でキッズケータイ所有を上回るのは調査開始以来初
※3 GSMA Achieving mobile-enabled digital inclusion in Bangladesh
※4 The Daily Star Net ‘Made in Bangladesh’ smartphones to rule the roost soon
※5 特定非営利活動法人 シャプラニール バングラデシュのスマートフォン事情
※6 Markedium Social Media Platform User Statistics For Bangladesh – March 2021

GENKIプログラム対象校の先生たちの話では、スラム街における成人のスマホ所有率は約3割にとどまっています。日本のように子どもたちはスマホを所有していません。彼らは両親のスマホを使用することが多く、複数の子どもたちが1台のスマホ画面を覗く光景を目にすることもあります。

子どもたちのスマホの主な用途は、オンライン授業参加に加え、YouTube、Facebook, TikTokなどのSNSを通した娯楽目的のようです。子どもたちの中で特に流行しているのはインドの映画やドラマを見ること、ゲームをすること、そして自分たちで撮影した動画をTikTokで共有することだそうです。

オンライン授業を受け、ノートにメモをする子ども
オンライン授業を受け、ノートにメモをする子ども
オンライン授業を受け、ノートにメモをする子ども
動画を見る子どもたち
動画を見る子どもたち
1つのスマホでSNSを楽しむ子どもたち
1つのスマホでSNSを楽しむ子どもたち

子どもたちにとってスマホは日本と同様に勉強や趣味に必要不可欠なツールとして普及しつつあります。同国の経済成長に伴い、今後は更に所有率が上昇し、より身近なものになるものと期待されます。

本レポートでは今後もさまざまな視点から、GENKIプログラム対象校に通う子どもたちの様子を発信していきます。
引き続きのご支援をよろしくお願い致します。