バングラデシュでの新型コロナウイルスの影響 
【2020年3月の活動報告】

今期(2019年10月~2020年9月)のユーグレナクッキー配布目標210万食に対し、3月までに約109万食(進捗率:52.0%)を配布しました。

1.バングラデシュでの新型コロナウイルスの影響

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。バングラデシュでも3月8日、首都ダッカで初の国内感染者が確認されました。バングラデシュ政府は3月15日、新型コロナウイルス感染拡大への対策として、国籍を問わずアライバルビザ(注1)の発給停止を発表。翌16日には、全ての教育機関を3月17日から閉鎖するよう指示を出しました。2014年4月にGENKIプログラムを開始以来、今回の休校措置によって対象校の生徒たちは、初めて長期間、ユーグレナクッキーを学校で食べることが出来ない事態となりました。

バングラデシュ政府は矢継ぎ早に感染拡大のさらなる予防策を講じました。3月26日から原則として全ての政府機関、オフィスの業務を停止すると発表。自主的な隔離措置(自宅待機など)を国民に要請するとともにバス・鉄道など公共交通機関も停止しました。さらに4月8日からは感染拡大が進行する首都ダッカ含め複数都市のロックダウン(都市封鎖)を実施しました。当社の現地法人も例外ではなくバングラデシュ事務所は閉鎖され、全ての社員が自宅待機を余儀なくされました。バングラデシュ警察は緊急時を除き対象市内と市外間の移動を原則禁止としたため、外出者は警察官から検問を受ける事例も見受けられました。

このようにバングラデシュ国内が緊迫した空気に包まれていくなか、学校の先生や生徒たちも混乱や不安に苛まれています。ダッカにあるGENKIプログラム対象校トゥラグ小学校では、何人かの先生が休校となった途端、故郷に帰ったもののロックダウン発令後にダッカに戻れずにいると言います。また同校のエルシャド校長は、休校となって以降、生徒の家庭から感染者が発生しないことを願いながら、頻繁に生徒の保護者に電話をしています。「ダッカを離れて故郷に帰った家族も多くいます。携帯電話に掛けても連絡が取れない場合、生徒がどのような状態か心配です。」と話していました。またダッカのGENKIプログラム対象校マトリチャイ小学校5年生のアミン君(11歳)は不安な胸の内を次のように伝えてくれました。「ロックダウンで家から外に出られないと、まるで牢屋にいるみたい。感染しないために仕方ないのは分かるけど、日に日に耐えられなくなってくる。お母さんに勉強するよう言われても集中できないし、学校で友だちとおしゃべりするのが大好きだったから本当に寂しいな。」

新型コロナウイルスの感染拡大は、日本同様にバングラデシュでも子どもたちから教育の機会と外で遊ぶ自由を奪っています。そのような状況のなか、決して居住環境が良いとは言えないスラム街で暮らす生徒たちに、電話で手洗いなど衛生状態を保つ大切さを丁寧に教え、精神面で勇気づける先生も多くいます。「現在、子供たちが校庭で楽しく遊ぶ面影はありません。コロナウイルスが終息し、歓喜で生徒たちが通学するのを心から待ち望んでいます。それまで電話で生徒や保護者と連絡を取り合いながら学校を守ります。」と前出のエルシャド校長は力強く語りました。私たちも早期の学校再開を願いながら、ユーグレナクッキー配送準備を入念に行います。

(注1)アライバルビザ
ビザは一般的に渡航前、在外公館(大使館・領事館など)に申請後発給されるが、アライバルビザ(Visa on Arrival)は渡航先空港に到着後、空港で取得するもの。

バングラデシュでの新型コロナウイルス感染者の発生状況 感染者数 死亡者数
1,231 50

※2020年4月16日時点 出所:世界保健機関(WHO)https://covid19.who.int/

  • 写真-1:休校中のトゥラグ小学校(正面)
    写真-1:休校中のトゥラグ小学校(正面)
  • 写真-2:休校中のトゥラグ小学校(教室)
    写真-2:休校中のトゥラグ小学校(教室)
  • 写真-3:学内に保管中のユーグレナクッキー
    写真-3:学内に保管中のユーグレナクッキー
  • 写真-4:リキシャのみ走るダッカの主要道路
    写真-4:リキシャのみ走るダッカの主要道路
  • 写真-5:閑散としたダッカ市内の様子①
    写真-5:閑散としたダッカ市内の様子①
  • 写真-6:閑散としたダッカ市内の様子②
    写真-6:閑散としたダッカ市内の様子②


引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

株式会社ユーグレナ
海外事業開発部 / バングラデシュ事務所