速報:新型コロナウイルス感染拡大下のバングラデシュで食料支援 
【2020年5月の活動報告】

今期(2019年10月~2020年9月)のユーグレナクッキー配布目標210万食に対し、5月までに約110万食(進捗率:52.3%)を配布しました。

1.ロックダウンで食料不足と価格高騰に悩むスラム街住民にユーグレナクッキーを配布

バングラデシュでは今も、1日当たり2,500名から3,000名の新型コロナウイルス感染者が確認されています。そのような環境下、感染拡大防止策の一環として3月17日から全ての教育機関で休校の措置が取られています。その結果、GENKIプログラムでは生徒たちに、2か月以上ユーグレナクッキーを配布出来ない事態となりました。一方、首都ダッカでは長引く都市封鎖(ロックダウン)により、農村地区から食料品の流通が滞り小売価格が高騰しています。また食品工場も一時的に操業停止せざるを得ない事態となったため、品薄状態となっています。さらに労働者の仕事が激減し、日払い支給で生計を立てている貧困層が日々苦境に追い込まれています。そこで当社は休校以降、未配布となっているユーグレナクッキーを、ダッカのスラム街で暮らす貧しい人たちの支援策として無償で計40万食分を配布することとしました。これは休校開始となった3月17日から5月末までのユーグレナクッキー未配布分の全数量に相当します。
 現地で都市封鎖(ロックダウン)が続くなか、クッキー製造会社では5月中旬から限定的に工場の操業を再開したものの、製造ラインの人員確保が容易ではなく40万食分を短期間で製造することが厳しい状況でした。そこで、イード休暇明けの5月末から6月10日までに初回20万食分と残り20万食分を6月下旬迄に製造完了すべく交渉を行いました。初回のユーグレナクッキー配布対象地域として、ダッカで多くの貧しい人たちが密集しているレイヤーバザールとバウニアバドの2つのスラム街を選定しました。この地域にはGENKIプログラム対象校に通う生徒たちの家庭も多く含まれています。クッキーが確実に手元に届くよう、事前に配布対象者リスト6,667名分を作成し、スラム街の各世帯一軒一軒に、直接手渡しで配布しました。特製の段ボール1箱にユーグレナクッキー30袋入を詰め込み計6,667箱(20万食分)を発注しました。配布に際しては、各地域のGENKIプログラム対象校の校長先生や教師、町会長やボランティアなど総勢100名近い方々からの協力を得ました。配布拠点は対象地域内のGENKIプログラム対象校6校に協力をお願いしました。各校の校長にはユーグレナクッキーの保管をお願いし、6月16日に全ての配布を完了しました。なお残り20万食分も6月下旬に製造が完了次第、ダッカ市内の他スラム街で配布を行うべく並行して準備を進めています。今後も当社の理念である「人と地球を健康にする」を実現するために、様々な取り組みを実行してまいります。

  • 写真-1:輸送トラックから荷降ろし
    写真-1:輸送トラックから荷降ろし
  • 写真-2:クッキーを手渡すGENKIプログラム対象校アイデアル小学校校長
    写真-2:クッキーを手渡すGENKIプログラム対象校アイデアル小学校校長
  • 写真-3:クッキーを手渡すボランティア①
    写真-3:クッキーを手渡すボランティア①
  • 写真-4:クッキーを手渡すボランティア②
    写真-4:クッキーを手渡すボランティア②

2.新型コロナウイルス感染症の発生直後にGENKIプログラムに参加した小学校の話

GENKIプログラムの最も新しい参加校は、首都ダッカの北東、ブラーマンバーリア県内にあるガルバジチャ小学校です。3月9日から約90名の生徒たちに学内でユーグレナクッキーの配布が開始されました。生徒たちは事前に先生から栄養豊富なユーグレナクッキーのことを聞いており、実際に食べてみたら美味しかったので、学校に通う楽しみが増えたと話していました。しかし3月17日以降、新型コロナウイルス感染拡大の対策として全ての教育機関で休校措置が取られたため、残念ながら同校でも生徒たちは約1週間でユーグレナクッキーを食べることが出来ない事態となりました。
翌4月に入っても感染拡大の勢いは収まらず、配布出来ない日々が1ヶ月以上経ちました。子どもたちの健全な成長を願って始めた直後の難局に対して、同校のスルタナ校長は思案を巡らせ、学内に保管中のユーグレナクッキーを生徒たちに配布する方策を考えました。一日だけ学内校庭を開放し、生徒たちにソーシャルディスタンスを保たせながら、食料支援として食品と一緒にユーグレナクッキーを手渡す方法です。配布日を5月7日に決めて、先生方が手分けして事前に保護者に電話で連絡を行いました。また当日、生徒たちが通学する時間帯を3回に分けて密集しないように配慮しました。生徒たちにはそれぞれユーグレナクッキー15袋と学校の基金で購入した食品(リンゴと卵)を袋に入れて手渡しました。スルタナ校長は、「子供たちのほとんどの両親は、低賃金の日払い支給で生計を立てているのが実情です。新型コロナウイルス感染症の影響で、ますます厳しい環境に追い込まれています。どんな些細な支援でも彼らにとっては本当に助けになります。今回は私たちの学校に保管してあるユーグレナクッキー約1,300袋の支給にご賛同いただきありがとうございました。」と感謝の気持ちを伝えてくださいました。これからもGENKIプログラム参加校と連携を図りながら、子どもたちの栄養改善を目指して活動を続けていきたいと思います。

バングラデシュでの新型コロナウイルス感染者の発生状況 感染者数 死亡者数
90,619 1,209

※2020年6月16日時点 出所:世界保健機関(WHO)https://covid19.who.int/

  • 写真-1:クッキー配布開始時の記念写真
    写真-1:クッキー配布開始時の記念写真
  • 写真-2:スルタナ校長と生徒たち
    写真-2:スルタナ校長と生徒たち
  • 写真-3:ユーグレナクッキーの配給を受ける生徒たち
    写真-3:ユーグレナクッキーの配給を受ける生徒たち
  • 写真-4:学内に保管中のユーグレナクッキー
    写真-4:学内に保管中のユーグレナクッキー


引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

株式会社ユーグレナ
海外事業開発部 / バングラデシュ事務所