バングラデシュ共和国、と聞いて思い浮かぶのは「世界の最貧国」という方も多いはず。そしてバングラデシュに行ったこともなければ、行ったという話もあまり聞かないのではないでしょうか…?

今回は、そのバングラデシュに初めて行き、バングラデシュの街や田園地帯で感じたことをユーグレナ社のメンバーである木村(30代男性)がレポートします。

※2019年4月25~28日の3泊4日の企業研修訪問記です。

クラクションが鳴り響く、真夜中のダッカ国際空港

成田空港で飛行機に乗り込んだのは17時。
そしてタイ経由でバングラデシュのダッカ国際空港に、翌日1時(現地時間)に到着しました。

入国ゲートを出てまず聞こえたのは、けたたましいクラクションの音。
午前1時にも関わらず空港の外は車、車、車で、夜中とは思えないほどにぎやかな光景が広がっていました。

ダッカ国際空港のようす

聞くところによると、十数年前までは自転車やエンジン付き3輪車ばかりだったのが、ここ数年の急速な発展で車の所有数が激増したとのこと。
特に日本の中古車は人気で大量に輸入されているようです。

ただ、車の増加に比べて道路や信号などのインフラが未整備のため、街中では慢性的に渋滞が発生しています。なので、そこかしこでクラクションが鳴り響いているのですがそれにしてもにぎやかです‥(なぜそこまでクラクションが鳴り響くのかは、その謎は翌日解けることとなります)。

僕たちは現地の仲間が手配した車で何とかその喧噪を抜け出し、ホテルに到着。そのまま倒れこむように就寝しました。

バングラデシュのホテルはシンプル。エアコン付き

ところ変われば、の交通ルール

異国の地の朝の楽しみといえば、朝食です。
ホテルでの朝食はバイキング形式。野菜の炒め物もカレー風味なのが、インドの隣国でもあるバングラデシュに来たのだなと実感します。

そして、紅茶が美味しい。
紅茶は外で飲んでも1杯3~5タカ(日本円で5~7円)ほどで、日本のコーヒーが100円~ということと比べても格安の値段設定です。

チャイっぽい紅茶、滞在中の貴重な水分となった
バングラデシュ現地の新聞はこちら

朝食も済ませ、出発前にホテルから町を見ると、自転車、バイク、3輪原付タクシー、自動車、バス、そして牛などが、車道を数センチの間隔ですり抜けている光景が。

ギリギリをあうんの呼吸で行きかっているのですが、それを可能にしているのは、みながすり抜けるときに必ず鳴らすクラクションで、「今、横をすり抜けるぞ!」というように、周りの車に合図を出しているとのことです。

日本ではほぼ鳴さないクラクションですが、ここバングラデシュでは重要な「コミュニケーションツール」になっていました。(なので真夜中でも関係ないというわけです…)

車道の真ん中を歩く人も

バングラデシュの「ナビスコ」

今回は研修出張ということもあり、GENKIプログラムのユーグレナ入りクッキーを製造している工場を見学させていただきました。

その名も「ナビスコ」社。
しかし日本で知られているナビスコとは別の会社で、バングラデシュ国内のお菓子の売り上げで4~5位に入る老舗企業です(実は日本や米国のナビスコ社より創業が古い)。

出迎えてくれたのは、工場でマネージングディレクターをしているAliさん。
GENKIプログラムの重要性を理解し、ユーグレナクッキーの現地生産引き受けを推進してくれた方です。

左から当社執行役員佐竹、社長出雲、ナビスコ社マネージングディレクターAliさん
まずは工場の概要を説明いただく

まず工場の説明を受けてからいざ工場見学へ。
工場では、計画に合わせてその日に生産する品目を切り替えて生産ラインを稼働させているとのことで、ユーグレナクッキーの製造を見れるかどうか確定していませんでした。

しかし、この日はちょうどユーグレナクッキーを生産しているということで、運よく製造ラインを見ることができました。

筆者である木村と焼ける前のクッキー
コンベアでこんがり焼かれていくクッキーたち

ユーグレナクッキーは、ユーグレナ社が石垣島で生産したユーグレナ粉末がバングラデシュに届けられ、この工場で子どもたちが食べやすいクッキーに加工されて出来上がります。

普段なかなか味わうことのできないアツアツの焼きたてクッキーも試食させてもらいましたが、ほどよい甘さがちょうどよく、温かみを感じる味でした。

出来立てあつあつのユーグレナクッキーをもらった

工場では、焼き上げや品質検査を男性、包装を女性が担当と分担されていました。
作業する女性が中学生や高校生ぐらいに見えたため、「彼女たちは学生アルバイトですか?」と質問したが、みな18歳を超えているとのこと。
日本人の感覚からするとみな驚くほど痩せていて、身長が低い印象でした。

小柄で痩せている女性が多い

バングラデシュの5歳以下の子どもは4人に1人が栄養不良であるという調査結果があります。

日本にいたときからこの調査結果を知っていましたが、とはいえ問題となっているのは一部の恵まれない子どもたちのことだろうと勝手に思い込んでいました。

しかし首都のダッカで仕事をしている大人の女性、すなわち都心に住み定職を持つという、比較的安定した状況にある彼女たちの体もとても細く、小さかったのです。栄養不良が一部の問題ではないことを感じました。

では、ストリートチルドレンの子どもたちはどのような様子なのでしょうか‥。
それは次の訪問先で分かることになりました。

~次回へ続く~