ユーグレナ竹富エビ養殖」は、2015年9月にユーグレナ・グループに参画し、今年で節目の10年目を迎えました。沖縄・竹富島の豊かな自然の中で、“海老の王様”とも称されるクルマエビを育てています。クルマエビは、プリプリとした食感と濃厚な旨みが魅力の高級食材。晩秋から冬にかけて旬を迎えるため、これからの季節はお歳暮やギフトにもぴったりです。
今回は、そんなクルマエビの養殖に情熱を注ぐ、ユーグレナ竹富エビ養殖の生産担当の安藤さんに、現場の魅力やこだわりについてお話をうかがいました。

竹富島の自然とともに育つ、クルマエビ

―まずは、ユーグレナ竹富エビ養殖について紹介をお願いします。

安藤真悟さん(以下、安藤):暖かい気候と美しい海に恵まれた竹富島で、高品質なクルマエビを育てています。日本最南端に位置するこの島で、約7万㎡、東京ドームの約1.5倍の広さを誇る養殖場を構えています。自然環境を活かしながら、丁寧に育てることで、活きの良いクルマエビをお届けしています。

日本最南端、暖かい気候と美しい海に恵まれた竹富島の養殖場で最高品質のクルマエビを育てる

―初めてユーグレナ竹富エビ養殖のクルマエビを食べておいしさに感動しました!その秘訣は何でしょうか?

安藤:やはり「環境」と「餌」ですね。
竹富島の海水は本当にきれいなんです。島には農地や川がなく、農薬や赤土の流入がないため、海水の透明度が非常に高い。日本一きれいな海水で育てられているクルマエビと言っても過言ではありません。
また、クルマエビにとってストレスの少ない環境を整えるため、低密度飼育を行っています。ここには5つの養殖池があり、それぞれに適切な密度で育てることで、クルマエビの健康を守っています。
また、餌にもこだわっています。素材選びには妥協せず、厳選したものだけを使っています。クルマエビの味や健康に直結する部分なので、ここは特に大事にしていますね。

―だから、あんなに大きくておいしいクルマエビになるのですね。おすすめの食べ方を教えてください。

安藤:個人的には、ボイルや炭火焼きがおすすめです。クルマエビの甘みが一番感じられると思います。
当社のクルマエビは、主に市場から出荷され、全国の料理店で使われたり、石垣島の飲食店でもお召上がりいただけます。また、オンラインでも気軽にご購入いただけますし、ふるさと納税の返礼品としてもご利用いただけます。ぜひご自宅でも様々な料理で味わっていただきたいですね。

■ユーグレナ竹富エビ養殖 注文サイト
https://poke-m.com/producers/2804

■ふるさと納税のお申し込み
Amazonふるさと納税
楽天ふるさと納税
・そのほかのサイトはこちら

竹富島

クルマエビの成長を支える日々の努力

―安藤さんは日々どのような業務をおこなっているのですか。

安藤:シーズン中は、朝4時に起きてすぐにクルマエビの収穫作業を始めます。まずは養殖池からクルマエビを取り上げて、選別機にかけて仕分けします。その後、選別されたクルマエビを1キロずつ計量して箱詰めしていきます。この作業を7〜8人のチームで協力して何度も繰り返して行い、1日で数百キロに及ぶ量を出荷しています。
収穫が終わったら、池の掃除に入ります。水流の影響で池に汚れがたまりやすい部分があるので、潜ってポンプで吸い上げて除去します。実はダイビングが趣味なので、その経験がこういう場面で役立っているんですよ。
午後はクルマエビへの給餌がメインです。クルマエビは夜行性なので、夕方にかけて餌を与えます。並行して翌日の収穫に向けた準備も進めていきます。
また、季節によって水温が変わったり、天候によってクルマエビの動きも変わるので、それに合わせて飼育環境を調整するのも重要な仕事ですね。

計量作業中の安藤さん、クルマエビの様子を日々確認

―クルマエビの成長を見守る中で、やりがいを感じる瞬間は何ですか?

安藤:私は毎日、養殖池の掃除を欠かさず行っているのですが、特に池にたまる汚れの除去には気を配っています。クルマエビは温かい場所に集まる習性があるんですが、池の汚れがある部分は温かいため、そこに集まりやすいんです。そうした汚れは水質を悪化させたり、有害なガスを発生させる原因にもなるので、クルマエビの健康にとってはよくありません。常に清潔で快適な環境を保つことを心がけていますね。クルマエビもストレスの少ない環境で育つことで、活きが良くなり、品質も安定するんですよ。そうして育てたクルマエビが大きく成長しているのをみると、やりがいを感じますね。

―苦労されていることはありますか。

安藤:水温の変化による管理が大変ですね。水温が高くなるとクルマエビは活発になって餌をよく食べるんですが、成長にはつながらないこともあって、餌代ばかりかかってしまうんです。しかも、クルマエビの量を増やすとその分コストも跳ね上がるので、バランスの見極めが難しいですね。特に最近は猛暑が続いていて、水温が上がりすぎることもありました。
逆に冬場は水温が下がるとクルマエビの動きが鈍くなって、餌を食べているかどうかも分かりづらくなるんです。ちゃんと食べているかどうかを確認するために、池の様子を観察する必要がありますし、クルマエビが小さいと網でうまく取れないこともあるので、収穫にも手間がかかります。
特に12月末から2月にかけては贈答用の需要が高まるので、なんとしても良い状態のクルマエビを収穫しなければならず、クルマエビの状態を見ながら試行錯誤していますね。

池に潜る作業の準備中

未来の食文化を守る、サステナブルな養殖

―ユーグレナ竹富エビ養殖のどのような部分に可能性を感じていますか?

安藤:一番は、サステナブルな生産体制です。
大学時代、持続可能な暮らしや社会の在り方に関心の深い先生のもとで、環境や食文化について考える機会がありました。その経験から、「食」はすべて一次産業から始まっていて、環境と密接に関わっているということを強く意識するようになりました。だからこそ、食文化を守っていくためには、持続可能な生産であることが欠かせないと考えています。
私たちが取り組んでいる「陸上養殖」は、海洋環境への影響を抑えながら、水質や餌の管理を徹底できる方法です。自然と調和しながら、美味しくて安全なクルマエビを育てることができます。そういう意味で、ユーグレナ竹富エビ養殖は、環境に負荷をかけないサステナブルな方法でクルマエビを育てていて、これからの食のあり方に大きな可能性を感じています。
このような取り組みは、これからの時代にますます求められるものだと思いますし、持続可能な食のあり方として、多くの方に知っていただきたいですね。

―2025年大阪・関西万博で展開された「スシロー未来型万博店」では、100%養殖のサステナブルな水産物のみを厳選してメニュー展開をされていましたが、ユーグレナ竹富エビ養殖のクルマエビも採用されていましたね。

安藤:はい、ありがたいことに採用いただきました。私たちが取り組んでいる「陸上養殖」は、安心・安全で美味しいクルマエビを、自然環境と調和しながら育てる方法です。こうしたサステナブルな取り組みが、今回の採用につながったのだと思います。たくさんの方々に私たちの取り組みを知っていただけるきっかけとなったことを、とても嬉しく思っています。

2025年7月2日ニュースリリース:ユーグレナ竹富エビ養殖の「車海老」がスシロー未来型万博店に登場

ユーグレナ竹富エビ養殖で育ったクルマエビ

―わたしたちの日々の生活を支えている食料生産の舞台、一次産業。ユーグレナ竹富エビ養殖とユーグレナ社の両社で、よりサステナブルな業界の在り方も一緒に模索したいですね。

安藤:現場を担うユーグレナ竹富エビ養殖、現場の外で活動するユーグレナ社。この2社だからこそできることがあると思っています。
現場だけをみていると、クルマエビを育てて出荷したその先を考える機会が減り、視野が狭くなりがちです。クルマエビをお客さまにどのように届け、どのように選んでいただくか。こうした視点を、ユーグレナ社と一緒に考える時間が持てることはとても大切だと思います。逆に、ユーグレナ社は生産現場のリアルを知ることで、どのような課題に対して取り組むべきかを考えられる。異なる役割を持つ両社が協力することで、お互いに視野を広げ、成長していきたいですね。

―最後に、読者のみなさんへメッセージをお願いします。

安藤:クルマエビがどんな環境で、どのように育てられているかまだ知らない方も多いと思います。私たちは竹富島の豊かな自然の中で、クルマエビにとって最も心地よい環境を整えながら、丁寧に育てています。そんな最高の環境で育ったクルマエビだということをぜひ知っていただきたいですね。そして、ぜひ一度味わっていただけたら嬉しいです。

<プロフィール>
ユーグレナ竹富エビ養殖株式会社
安藤 真悟

クルマエビの生産管理及び、出荷業務全般、潜水業務に従事し、日々の安定生産や水質管理に取り組む。ECサイトの管理や、販売、販促業務も担当。