毎年3月3日は「耳の日」。顔に沿って付いている耳の部分を「耳介(じかい)」といい、耳介はよく見ると一人ひとり違った形状をしていて、そのかたちは成長や環境要因によって変化することもありますが、遺伝子が深く関わっていることが知られています。
ユーグレナ社では、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとに、耳のかたちに関する遺伝子項目を解析し、「縁起の良い耳の形をした遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を公開しました。

■「縁起の良い耳」の形とは?

一般的に大きな耳たぶのことを「福耳」といいます。富や幸福、開運をもたらすという恵比寿様、大黒様、布袋様たちは豊かな福耳をしていて、仏教で伝えられているお釈迦様の特徴「三十二相八十種好」の中には「耳が肩まで垂れ下がっている」という描写、つまり「福耳」があります。福耳は古くから、ありがたく縁起が良いものとされていますが、特に、耳たぶが下方向に膨らんで顔と分離して、袋状になっているものが理想の福耳ともいわれています。

■耳のかたちに関する遺伝子項目とは?

イギリスのロンドン大学遺伝学研究所の研究グループが、5,000人以上のラテンアメリカ人を対象に耳介の様々な形態と遺伝子の関係を網羅的に調査しました。その結果、「耳たぶの大きさ」、「耳たぶの付きかた」、「耳介の張り出す角度(立ち具合)」、「耳珠(耳の穴の前の出っ張り)の大きさ」、「耳の折りたたみ」など6つの形質に関連する遺伝子型が見出されました。
ユーグレナ社の遺伝子解析サービスでは、耳のかたちに関する遺伝子項目として、現在、「福耳/耳たぶの大きさ」「耳たぶの付きかた」「立ち耳」があります。

■今回の調査で解析した項目について

ユーグレナ社では『縁起の良い耳』を定義するにあたって、以下の2つの解析項目を取り上げました。

項目①「福耳/耳たぶの大きさ(SNP:rs263156)」
耳たぶの大きさ、いわゆる福耳の傾向に関する項目で、次の3つのタイプがあります。

  • 耳たぶは大きめのタイプ(遺伝子型:GG)
  • 耳たぶはやや小さめのタイプ(遺伝子型:GT)
  • 耳たぶは小さめのタイプ(遺伝子型:TT)

なお、日本人における遺伝子型の割合は、「耳たぶは大きめのタイプ(遺伝子型:GG)」が55.9%と3つのタイプの中で1番高かったため、当社の遺伝子解析サービス上では「耳たぶの大きさは一般的なタイプ」と表記しています。

項目②「耳たぶの付きかた(SNP:rs10192049)」
耳たぶが下方向に膨らんで顔と分離しているか、下方向に膨らまず顔と密着しているかに関する項目で、次の3つのタイプがあります。

  • 分離しているタイプ(遺伝子型:TT)
  • やや分離している中間タイプ(遺伝子型:CT)
  • 密着しているタイプ(遺伝子型:CC)

今回の調査における『縁起の良い耳の形をした遺伝子タイプ』とは、項目①「福耳/耳たぶの大きさ(SNP:rs263156)」で「耳たぶは大きめのタイプ(遺伝子型:GG)」に該当し、かつ、項目②「耳たぶの付きかた(SNP:rs10192049)」で「分離しているタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する人のことを指します。
つまり、今回は、「耳たぶは大きめのタイプで、耳たぶの付きかたは分離しているタイプ」に該当する人の割合を都道府県(出生地)別に算出し、数値化しました。

■「縁起の良い耳の形をした遺伝子タイプ」が多い都道府県ランキング

縁起の良い耳の形をした遺伝子タイプが多い都道府県ランキングTOP10

ゲノムデータの解析結果による、縁起の良い耳の形をした遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 沖縄県、2位 鳥取県、3位 三重県、4位 山形県、5位 岡山県、6位 岐阜県、7位 千葉県、8位 福島県、9位 静岡県、10位 岩手県となり、上位の沖縄県鳥取県4割超え三重県4割近くの方が理想の福耳の遺伝子タイプであることが分かりました。

縁起の良い耳の形をした遺伝子タイプが多い都道府県ランキング日本地図

【全ランキング結果はこちら】

縁起の良い耳の形をした遺伝子タイプが多い都道府県ランキング1位~47位

【調査概要】
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2022年12月
調査項目: 「福耳/耳たぶの大きさ(SNP:rs263156)」と「耳たぶの付きかた(SNP:rs10192049)」の2項目を調査し、「耳たぶは大きめのタイプ(遺伝子型:GG)」、かつ「分離しているタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出

株式会社ジーンクエスト取締役副社長岩田修
株式会社ジーンクエスト
取締役副社長 岩田 修

ちょうど今ピークを過ぎつつある受験勉強でしか出てこないような単語かもしれませんが、『アレンの法則』をご存じでしょうか。これは、「寒冷な地域に住む個体ほど、突出部(耳、首、尾など)が短くなる」という法則です。今回の耳たぶの大きさなども、これに当てはめると、耳たぶの小さい方の祖先は寒いところに、耳たぶの大きい方の祖先は暖かいところにいて、そこから日本に来たのかもしれませんね。もちろん推測ですが、今回の結果をもとに遥か昔のご先祖様に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

【ユーグレナ・マイヘルス遺伝子解析サービスとは】
個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて300項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにできることをチェックできます。詳しくはこちらをご覧ください。

遺伝子解析サービス「ユーグレナ・マイヘルス」
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