家族のために働く少年、アハドくんの物語
【2026年4-6月の活動報告】

今回のレポートでは、GENKIプログラム提携校に通うアハドくんという少年の、勉強と仕事に懸命に取り組む姿をご紹介します。 

1.祖母を支えながら夢を追うアハドくん

 現在12歳のアハド君は、ダッカ市ミルプールのSenpara BDP小学校に通う小学5年生です。未就学児クラスから同校で学び、礼儀正しく向学心にあふれる生徒として成長してきました。同年代の子どもたちは遊びや趣味を楽しむ年頃ですが、彼は学業に加えて家族を支える責任も担いながら、日々勉強に励んでいます。

教室で勉強するアハドくん(右)
アハドくんが通うSenpara BDP小学校

 
 アハドくんの両親はともに縫製工場で働き、家族の生活を支えています。決して余裕のある暮らしではなく、両親は長時間働くことも少なくありません。そのため、幼い頃から祖母がアハドくんの成長を見守ってきました。アハドくんは祖母の温かい愛情に包まれて育ち、学校へ通う準備を手伝ってもらったり、勉強を見守ってもらったりしながら成長してきました。祖母は彼にとって保護者であり、先生であり、そしていつもそばで支えてくれる最も身近で大切な存在です。 

アハドくんの自宅入口
自宅のキッチン

 しかし、2025年末、祖母が心臓病を患っていることが分かり、アハドくん一家の生活は大きく変わりました。継続的な通院や薬による治療が必要となり、家族の生活を維持するだけでも大変な状況のなか、医療費の負担は非常に大きなものでした。大好きな祖母が病気と向き合う姿を見て、アハドくんは「何とか力になりたい」と強く思うようになりました。幼い頃から自分を支えてくれた祖母に、必要な治療や薬を十分に受けてもらうことが難しい状況に心を痛め、まだ12歳ながらも家族を助ける方法を探し始めたのです。 

 祖母を支えたいという思いから、アハドくんは2026年3月からフードデリバリーサービスのアシスタントとして働き始めました。放課後の時間を使って働き、月に約4,000タカ(約5,000円)を稼いでいます。まだ12歳の彼にとって簡単なことではありませんが、その収入は祖母の治療や家族の暮らしを支える貴重な助けとなっています。  

 アハドくんは、仕事と学業の両立に懸命に取り組んでいます。学校から帰ると、まず宿題や予習・復習を済ませてから仕事に向かい、時間が足りないときには朝早く起きて勉強することもあります。決して楽な毎日ではありませんが、「学び続けたい」という強い思いを胸に、日々努力を重ねています。仕事と勉強を両立するアハドくんの姿は、学校の先生からも高く評価されています。担任の先生は、 

 「アハドは礼儀正しく、いつも一生懸命に勉強に取り組んでいます。大変な状況の中でも学ぶことをあきらめない、とても努力家の生徒です」と語っています。

アハドくんと先生
アハドくんの教室
ユーグレナクッキーを食べているアハドくん

 この数か月間、アハドくんは仕事で得た収入を祖母の薬代や栄養のある食事のために使ってきました。その支えもあり、祖母の体調は徐々に回復し、家族にも笑顔が戻りつつあります。アハドくんは、祖母への思いを次のように語っています。「祖母の力になれることがうれしいです。祖母は、僕にとってもう一人のお母さんのような存在だからです。」 

 アハドくんは、将来バングラデシュ陸軍の一員として国に貢献したいという夢があります。この夢のきっかけは、幼い頃から祖母がかけてくれた励ましの言葉でした。祖母はよく、「あなたは将来、国のために働く立派な兵士になれるよ」と語りかけてくれました。その言葉は今もアハドくんの心に残り、夢に向かって努力を続ける原動力となっています。 

 12歳という年齢でありながら、アハドくんは学業と仕事を両立し、家族を支えるために日々努力を続けています。大好きな祖母のためにできることを考え、自ら行動に移したその姿には、深い思いやりと強い責任感が表れています。学校で学び、働き、家族を支える毎日は決して容易なものではありません。それでもアハドくんは、将来の夢をあきらめることなく、一歩一歩前へ進み続けています。 

2.2026年4-6月の活動報告

 4-6月の3か月間は、GENKIプログラム対象校87校のうち、1日平均約10,000人に対し、合計59.6万食のユーグレナクッキーを配布しました。