新潟・南魚沼で、素材選びから製法まで丁寧にこだわり、江戸時代から先祖代々お米づくりを続ける米農家・まつえんどんさん。昨年末には、「ユーグレナ育ち」農産物部門の第一号として、ユーグレナ入り肥料「藻力(そうりき)」を使用した「ぴかまる」が、世界最大級のお米コンクール『第27回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」in つくばみらい』で、最優秀賞の金賞を受賞しました。今回は、まつえんどんの代表 三輪弘和さんに、農家としての原点とお米づくりへのこだわり、これからのビジョンなどについてお話を伺いました。

※ユーグレナ配合の飼料や肥料を使用して育てられた農畜水産物に掲示できる認定マーク。株式会社UTAKICHIの「YESブリ」、宮本養鶏場の「なごみたまご」なども認定製品となっている

料理人から米農家へ。食べ手を思うからこそ生まれる多彩な米づくり

─三輪さんが農業を始めたきっかけを教えてください。

三輪弘和さん(以下、三輪):もともと金沢で10年間、居酒屋やイタリア料理店で料理人として働いていました。実家が米農家だったこともあり、金沢に住んでいた頃からお米を送ってもらっていたんです。その頃ふと、「こんなにおいしい南魚沼のお米なのに、どうして自分はこれを売っていないんだろう」と感じ、農業を継ぐことを決意しました。
料理人の仕事では、食べてくださるお客さまの反応が目の前で分かります。どんな食材が喜ばれ、どんな味わいが求められているのか。その視点は、お米を育てる今でも活きていると感じています。

江戸時代から受け継がれた広大な面積の田んぼでお米づくりを続ける

─まつえんどんさんではどんなお米を育てているのですか?

三輪:コシヒカリを中心にさまざまな品種を栽培し、農家直送でお届けしています。
お米はそれぞれの品種ごとに柔らかさ・弾力・甘み・旨味が違うので、お好みに合わせて選んでいただくのがおすすめです。
「ぴかまる」は、艶と粘りが多く、お米が柔らかいのが特徴。食べて粘りがあるお米が好きな方におすすめです。コース料理に少量添えられているとちょうど良い、華やかさと満足感があります。
「虹のきらめき」は、お米の輪郭がはっきりしていて、食べたときに跳ね返ってくるような食感。お米の粒立ちがしっかりしているのが好きな方におすすめです。普段用としても人気のある品種です。
「新之助」は、まつえんどんのお客さまの中では、玄米で選ばれることが多い品種。玄米の栄養をしっかり、かつおいしく取り入れたい方におすすめです。
また近年は、酷暑などの気候変動に対応するため、暑さに強い新品種の栽培にも挑戦しています。コシヒカリに加えて、新品種も積極的にコンテストに出品し、賞を獲得しています。ぜひ、お客さまにはいろいろなお米を味わってほしいですね。

様々な品種をコンテストへ積極的に出品し賞を獲得

─お米のほか、玄米ベーグルやお弁当などもつくられていますよね。

三輪:はい。国内の自給率向上へ向けて「お米の消費を増やそう」という動きがある一方で、パンが好きな方も多くいらっしゃいますよね。そんな方々に、小麦もお米もどちらも気軽に楽しんでいただけたらという思いがありました。また、玄米が持つ栄養価を活かしたいと考え、玄米ベーグルづくりも行っています。コシヒカリ玄米と国産小麦粉、酵母を使って、自社工房で化学調味料無添加で製造していますので安心安全にお召しあがりいただけます。

ごはんのうまみと甘みが感じられて、
もっちりずっしり美味しい玄米ベーグル

人にも土にもやさしい栽培へ。丁寧な土づくりが生んだ金賞米

─誰が食べるのかを大切にしながらお米の生産や商品をつくられているのですね。お米をつくられるうえで、どんなことを大切にされているのですか?

三輪:農薬や化学肥料を極力使わず、人の健康にも安心なものを田んぼに使っています。中でも、特によく活用しているのが「玄米黒酢」です。
まず、種もみの消毒に玄米黒酢を使用します。水稲栽培時で最も困る病気のひとつに「いもち病」がありますが、種もみの段階で玄米黒酢を水で希釈して漬けると、病気にかかりづらくなるんです。また、玄米黒酢のアミノ酸は米のうまみを引き出す作用があるので、夏場には噴霧器を使って田んぼの上から稲に直接散布します。栽培ではいろいろな資材を使用しますが、自分自身の体にかかっても問題ない、というのは大切だと思っています。

※いもち病とは
いもち病菌というカビ(糸状菌)がイネに寄生し、葉や穂を枯らす稲作で最も恐れられる病気。葉や穂を枯らしてしまうため薬剤などで消毒をすることが主流だが、低温・多雨・日照不足という天候不順によって発生しやすくなり、対応が難しくなる。※参照サイト

毎年8月頃、玄米黒酢を散布。人間にも稲にもGOOD!

─丁寧につくられているのですね。その中でも、最近「ぴかまる」が「米・食味分析鑑定コンクール」で金賞を受賞しましたね。どんなお気持ちでしたか。

三輪:はい、喜びをかみしめるような、味わうような気持ちでした。
米・食味分析鑑定コンクールの国際大会は、科学分析と官能審査の2つで評価され、科学審査を経て最終の官能審査と進みます。今回は特に官能審査で高い評価をいただき、審査員の多くの方々から投票を得られたことがとても嬉しかったです。
今回金賞をいただいた「ぴかまる」は低アミロース米で、炊き上がりがぴかぴかしていて、粒がきれいな品種です。また普段から、ただお米を育てるだけでなく、食味計を使ってお米のおいしさを表す指標を測りながら日々検証を重ねてきましたが、その積み重ねが評価されたことが嬉しかったですね。今回は、ユーグレナを配合した肥料「藻力(そうりき)」を使用して良い結果が出たことも嬉しかったです。

※参考:まつえんどんWEBサイト「ユーグレナ育ち認定「ぴかまる」」について

金賞を受賞した「ぴかまる」

─「ぴかまる」をユーグレナ社内のメンバーでも試食しましたが、「とっても美味しい!最高!」、「いいお米の味だ、しっかりお米の甘さが際立っておいしい!」などの声があがりました。炊き上がりがきらきらと輝いてとてもおいしく、お米の甘さを存分に楽しめるので、嚙むたびに幸せな気持ちになりました。

サステナブルな未来へ─ユーグレナ肥料との出会いと今後の期待

─ユーグレナを肥料として活用していただくきっかけは、どんなことだったのでしょう?

三輪:健康食品の展示会でユーグレナを知ったことがきっかけでした。お客さまにお米をおすすめする以上、「何を与えて育てているのか」を自信をもって伝えたい。そのためには、まず自分自身が使ってみて健康面で納得できることが重要だと考えていて、その点に興味をひかれました。
また、ユーグレナは有用微生物を多く作り植物の根を伸ばす働きがある資材で、藻の仲間でもあります。お米の甘みにも良い影響を与えるのではないかと期待し、採用しました。
結果として、ユーグレナ入りの肥料「藻力」を採用した「ぴかまる」は「米・食味分析鑑定コンクール」で5年ぶりに金賞を受賞できました。食味の向上にも貢献してくれたのではないかと感じています。

ユーグレナのほか、カニ殻や漢方薬残渣などが含まれたペレット状の肥料「藻力」

─今回貢献できたことは、私たちも嬉しいです。今後、ユーグレナ社にはどんなことを期待されますか。

三輪:ユーグレナ社が描く「健康がめぐる」という考え方は、僕自身が目指している姿ともとても近いと感じています。その実現のための選択肢のひとつとして、ユーグレナ入り肥料の活用や「ユーグレナ育ち」認定を用いたブランディングが、今後さらに広がっていくといいですね。

──三輪さんはこれからどのようなお米づくりを目指されているのですか?

三輪:僕たちが田んぼを営んでいる地域も、今後10年で少子高齢化が一気に進み、お米農家が大幅に減っていくことが予想されています。市場に左右されすぎない方法で、お客さまに安定してお米をお届けしていくこと、そして農業の現場に若い世代が入ってこられる環境づくりを目指していきたいですね。

<プロフィール>
株式会社まつえんどん
代表取締役 三輪弘和

南魚沼で江戸時代中期から続く「まつえんどん」を継ぎ、独自の栽培方法で高品質米の生産に取り組む。多数の米コンクールで金賞を受賞し、料理人の経験を生かした商品開発にも力を入れている。