2年ぶりにクッキーの配布を再開した学校
【2022年6月の活動報告】

1.ダッカメトロポリタン校:2年ぶりのユーグレナクッキー配布再開!

ダッカメトロポリタン校は、ダッカ市内北西部のミルプール地区にあります。2年生から10年生までの約230名の子どもたちが、28名の教師と共に学んでいます。
同校の設立者であるアロムギル校長(以下、「校長先生」)は、以前は別の学校でベンガル語の教師として働いていました。子どもたちと接するうちに、より多くの子どもたちに教育の機会を届けたいと強く思うようになり、2010年に同校を立ち上げました。設立にあたっては、友人や親せきから資金をかき集め、たった2人の教師から始めたといいます。
学費は学年によって月に約700円~1,400円を生徒の家族から徴収していますが、施設の賃料や教師の給与をまかなうには十分ではありません。校長先生は、2018年にインドなどとの貿易を兼業として始めたため、そこから得られる資金の一部も、学校運営費に充ててきました。

生徒と話すアムロギル校長
生徒と話すアムロギル校長

同校では、「より多くの子どもたちに教育の機会を届けたい」という設立時の思いに沿い、自閉症などの障がいを持つ11人の子どもたちも、他の子どもたちと変わらない学費で受け入れています。

自閉症の子ども(左)と学習障がいの子ども(右)
自閉症の子ども(左)と学習障がいの子ども(右)

ダッカメトロポリタン校では、2019年3月よりGENKIプログラムが始まりました。校長先生が他のGENKIプログラム対象校を訪問した際、子どもたちが栄養豊富なユーグレナクッキーを食べることで空腹を満たし、以前と比較してより勉強に集中できるようになったと聞いたことがきっかけです。
プログラム開始以来、ユーグレナクッキーの配布を続けてきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、校長先生の貿易事業が不調となり、同校の資金繰りを支えることも難しくなりました。そのような中、費用負担の捻出が厳しくなり、ユーグレナクッキーの配布も、感染症が広がり始めた2020年3月に中断を余儀なくされました。
しかし、2022年に入り、校長先生の事業の一部の立て直しが進み、学校の資金繰りにも少し余裕が出てきたため、2022年7月下旬からユーグレナクッキー配布の再開を決めました。 そして7月28日、同校で約2年ぶりにユーグレナクッキーが子どもたちに配られました。各クラスでは、子供たちが笑顔で教員からクッキーを受け取っていました。

ユーグレナクッキーを久しぶりに受け取る子どもたち
ユーグレナクッキーを久しぶりに受け取る子どもたち
ユーグレナクッキーを久しぶりに受け取る子どもたち
ユーグレナクッキーを久しぶりに受け取る子どもたち
ユーグレナクッキーを久しぶりに受け取る子どもたち

校長先生はこう話しています。
「またこうして、配布を再開できることが本当に嬉しいです。配布ができなかった期間、子どもたち自身で朝食を確保してもらう必要があり、特に家計が厳しい家の子どもたちは栄養を十分に取ることができませんでした。私の事業が完全に以前の状態に戻った訳ではありませんが、子どもたちの健康を一番に考え、再開を決断しました。今後も、GENKIプログラムを継続できるように取り組んでいきたいです。」

そんな同校に通う、生徒の一人をご紹介します。
ニジェールちゃんは同校に通う8年生(14歳)で、父、母、21歳の姉、祖母と一緒にミルプール地区に住んでいます。父親は、バス内で運賃徴収の仕事をしており、月収は約23,000円です。母親は専業主婦です。姉は家庭教師として、週に3日間、2人の子どもに算数や英語を教えており、月に約10,000円の収入を得ています。家賃は月に約7,200円かかるため、家族5人の食費や電気代などを切り詰めて過ごしています。

ニジェールちゃんの自宅の入口(写真右側のドア)
ニジェールちゃんの自宅の入口(写真右側のドア)
ニジェールちゃん、自宅で祖母と共に。部屋は1つ
ニジェールちゃん、自宅で祖母と共に。部屋は1つ
台所は近隣9世帯が共同で使用
台所は近隣9世帯が共同で使用

学校でユーグレナクッキーの配布がなかった約2年間は、道端の屋台で「シンガラ(粉で作った生地に芋や野菜を包んで揚げた、サモサのような料理)」を買ったり、ポテトチップスなどのお菓子を食べたりして、空腹をしのいでいました。
ニジェールちゃんは、
「またユーグレナクッキーを食べられることが嬉しいです。クッキーを食べると、エネルギーがわいてきて、夕方授業が終わるまで勉強に集中できます。中でもミルク味が大好きです。今後も続けてほしいです。」
と話してくれました。
GENKIプログラムは、今後もダッカメトロポリタン校を支援してまいります。

2.新たな協賛パートナー企業の参加

GENKIプログラムは、ユーグレナグループやパートナー企業の商品売上の一部を協賛金に充てています。2022年5月末時点で12社のパートナー企業に参加いただき、対象商品の販売につき1個あたり10円の協賛金を拠出いただいております。そしてこの度、2022年6月より、新たに一般社団法人山田家と株式会社アプライズの2社にパートナー企業として参加いただくこととなりました。

一般社団法人 山田家は、360年以上続く茶道宗徧流の宗家として、デジタル時代の心身の疲労を緩和するメソッド「WabiYoga」を創設し、微細藻類ユーグレナを配合した上質で栄養豊富なカカオ、「WabiCacao」を展開しています。
「WabiCacao」は、フェアトレードのメキシコ産カカオを皮ごと丁寧に炭火焙煎し、石垣島ユーグレナを配合した芳醇な香りとまろやかで深みのある旨味が特徴の特別なカカオです。

GENKIプログラムへの協賛開始に際して、茶道宗徧流家元 山田宗徧様より以下コメントを頂きました。
「利休の哲学「侘び数寄」を継承し、「茶道」という概念を生み出して体系化した山田宗徧を祖とする山田家は、社団法人という形態でブランド管理を行い、次世代への伝統の継承につとめています。
カウンターカルチャーという精神文化を経て生まれた様々なムーブメントが新な産業を生み出している現代世界では、茶道の中にある心と身体性のヴァージョンアップが必要です。そうして生み出したWabiYogaという新体術。その世界観を広げる中、 松果体を活性化する効能があるというマヤの皇帝が飲んでいたカカオ(‐マヤカカオ)を日本に広げようとしている片山吾郎さんの話をきいて、抹茶に合う心と身体にいいカカオをつくりたいと思いました。
同じ頃、出雲さんと広島を旅していて、石垣島ユーグレナの様々な効能、そしてユーグレナ社としての社会活動の話をきいていました。
最初はなんとなくユーグレナと侘びを体現化するWabiYogaとのコラボの話をはじめ、雑談の中でカカオの商品化について話していく中でビーントゥバー化の話が進みました。そして試行錯誤の末、石垣島ユーグレナを配合したカカオが出来上がりました。新たな精神世界を開くものとして「WabiCacao」と名付けました。
次世代への継承、そのための自然素材、自然環境の保全は待ったなしです。意識していなくても、SDGsのような活動をしているのが茶道です。 それとは別に何かできないものかと考えてはいましたが、余力はありません。バングラデシュの子どもたちに、栄養豊富なユーグレナクッキーを届けるGENKIプログラムの話をご紹介いただき、WabiCacaoの販売とつなげることができる。子どもたちの笑顔が未来をつくる、そんな思いを共有するユーグレナ社とコラボさせていただいける、願ったり叶ったりでした。
微力ながら、このプログラムのお力になれたらと考えております。」

GENKIプログラム対象製品のWabiCacao 
GENKIプログラム対象製品のWabiCacao 
WabiCacao商品販売担当の小山様
 WabiCacao商品販売担当の小山様

株式会社アプライズは、環境事業と健康事業、二つの事業に分かれており、【地球をより健康に、人をより健康に】これをビジネスの原点として、ユーグレナ社と共同開発した「GREEN SENSE NMN9000 euglena®」を展開しています。
「GREEN SENSE NMN9000 euglena®」は、世界初の抗老化効果で注目を集めている「NMN」と免疫力を高め、59種類の豊富な栄養素が含まれる石垣島ユーグレナと吸収力を向上させる「ミネラル」が配合されています。健康補助食品として体の若さを維持させることが大いに期待されています。「いつまでも若くて、健康でありたい」方々を応援しています。

GENKIプログラムへの協賛開始に際して、同社代表取締役社長の平良様より以下コメントを頂きました。
「アプライズは「産官学連携」のもと、「地球をより健康に、人をより健康に」をグループの経営理念として、2014年5月より健康事業に取り組み、有力企業、製薬会社、大学(京都大学と順天堂大学)等の学術機関と連携をとりながら、今日まで数々の健康補助食品を開発してまいりました。「GREEN SENSE NMN9000 euglena®」は若々しくあり続けたいと願う方々のために開発した商品です。ユーグレナ社の「必要な栄養素が足りず栄養失調となっているバングラデシュの子どもたちが、健康に生活できるような栄養源をみつけたい」という創業理念に共感し、微力ながら私たちもできることになんでも協力させて頂きたいという思いで、GENEKIプログラムに参加させて頂きました。」

協賛対象品のGREEN SENSE NMN9000 euglena® 
協賛対象品のGREEN SENSE NMN9000 euglena® 
同社の健康事業本部の皆さま
同社の健康事業本部の皆さま

今後もパートナー企業の皆さまのご支援とともに、引き続きGENKIプログラムの拡充に努めてまいります。

3.2022年6月の活動報告

6月はGENKIプログラム対象校106校のうち100校の約11,000人に対し、23.9万食のユーグレナクッキーを配布しました。

2022年のクッキーの配布枚数の推移。6月は23.9万食配布した。

引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。