GENKIプログラム、バングラデシュの地方へさらに拡大 
【2018年7月の活動報告】

今期(2018年4月~9月)のユーグレナクッキー配布目標110万食に対し、7月までに約73万食(進捗率:66%)を配布しました。

1.GENKIプログラム、地方へさらに拡大

図-1:GENKIプログラムを実施している10県
図-1:GENKIプログラムを実施している10県

GENKIプログラムでは、プログラム開始以来ユーグレナクッキーを首都・ダッカ市内の学校を中心に配布してきました。昨年2月からプログラムの全国展開に向け、地方の6校にクッキーの配布を開始しました。また、新たに今月から地方の2校へクッキーの配布を始めました。これにより、GENKIプログラムの実施地域が8県から10県に拡大しました(図-1)。今月は、そのうちの1校であるバングラデシュ北部ポンチョゴル県に位置するシュニケトン パスシャラ ボダ学校(Shuniketon Pathshala Boda School 以下、シュニケトン校)を紹介します。バングラデシュの国土は日本の約1/4、北海道と東北を合わせた大きさとほぼ同じです。シュニケトン校のあるポンチョゴル県は、ダッカから約400km離れています。日本と異なり交通網が発展していないため、ダッカからは車で約11時間もかかります(図-1 矢印)。
 シュニケトン校は、日本に本部を置く国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド(Hunger Free World、以下HFW)が運営する学校です。HFWは、飢餓を根本的に解決するためには一人 ひとりの「食料の権利(心も身体も健康に生きていくために必要な食料を自らの手で得られること)」の実現が不可欠だと考えています。HFWは、GENKIプログラムの活動理念に共感し、この7月よりシュニケトン校の140人の子どもたちにGENKIプログラムを導入してくださいました。
 HFWは、母子に栄養改善の指導だけでなく、保健センターで診察や薬の提供、予防接種実施などの医療活動をしています。一般的にバングラデシュの診察料は400円~700円ですが、HFWはこれらの医療行為を無料で子どもたちに提供しています。さらに、子どもたちの両親もわずか約30円で診察を受けることができます。そのため、多くの子どもと両親が保健センターを利用しています。
 しかし、保健センターは学校から7kmも離れていて交通費もかかります。シュニケトン校のサタール校長先生は、「子どもたちの食事はお米に偏ってしまっており、小魚や野菜といった惣菜類をほとんど食べることがありません。結果として十分な栄養が足りていません。ユーグレナクッキーを食べ続けることで、健康的な体をつくり、子どもたちが保健センターに行く回数を減らしたいです。」と話してくれました。校長先生は、GENKIプログラムによるクッキーの配布だけではなく、食育活動にも期待しています。HFWが実施している母子栄養改善活動では、妊産婦に安価で栄養価の高い旬の野菜などの食事を摂るようアドバイスをしています。HFWとGENKIプログラム双方の食育活動のノウハウを合わせることで、学校だけではなく家庭での栄養改善を母子ともどもサポートしていきます。

  • 写真-1:クッキーを受け取った子どもたち
    写真-1:クッキーを受け取った子どもたち
  • 写真-2:保健センターで診察を受ける子ども
    写真-2:保健センターで診察を受ける子ども

2.お母さんの仕事を手伝うファティマちゃんの紹介

今月はダッカ市内にあるアパラジョ アジンプール センター学校(AprazeyoAzimpur Center School 以下、アパラジョ校)に通い、放課後はお母さんの仕事を手伝うファティマちゃん(8歳)を紹介します。GENKIプログラムの対象校は、主にスラム街にあります。そのため、それらの学校のうち約1割の子どもたちが児童労働を余儀なくされています。
 アラパジョ校はオールドダッカと呼ばれる旧市街地にあります。この地域は19世紀から宝飾品産業が栄え、現在でも多くの宝石やアクセサリー品の中小のメーカーや業者、販売店が存在しています。そのため、アラパジョ校では255人の生徒のうち35人のお母さんが自宅でアクセサリーの内職に従事しています。ファティマちゃんの家族は、お父さんとお母さん、3人のお姉さんの7人家族で、お母さんは市場でアクセサリーの材料を購入し、子どもたちと1日に約50個のピアスと約100個の腕飾りを、家事をしながら作っています。商品は卸業者を通じて市場で販売するものと、お父さんが路面にビニールシートを敷き、直接お客さんへ販売するものがあります。ピアスは1つ約13円、腕飾りは約7円で販売しています。これにより、毎月約9,000円の収益を得ています。お父さんはアクセサリーを路面で販売する一方、市場で野菜の販売もしています。野菜の販売での収益は月に9,000円で、世帯月収は約18,000円です。この月収はスラム街の平均的な月収です。
 ファティマちゃんはアクセサリー作りが好きで、毎日放課後にお姉さんとお母さんのピアス作りを手伝っています。去年までピアスの金具をつなぎ合わせる作業のみをしていましたが、今では1日に8個のピアスを1人で作ることができます。当社現地スタッフが作業しているところを見に行くと、熱心にピアスを作るところを見せてくれました。

  • 写真-3:腕飾りのチェーンを切るファティマちゃん
    写真-3:腕飾りのチェーンを切るファティマちゃん
  • 写真-4:家族でピアスづくり
    写真-4:家族でピアスづくり
  • 写真-5:作成したピアス
    写真-5:作成したピアス
  • 写真-6:家族写真(右から2番目がファティマちゃん)
    写真-6:家族写真(右から2番目がファティマちゃん)


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株式会社ユーグレナ
海外事業開発部 / バングラデシュ事務所