LIFE

「自分の心地よさ」を知っていくこと

2023.04.07

自分自身がニュートラルでいられる場所や時間についてお話を伺う “LIFE”インタビュー。今回のゲストは、歯科医師、クリエイティブディレクター、モデルと幅広く活躍する加藤順子さん。クリエイティブへの向き合い方、彼女にとっての“香り”という存在、についてお話を伺いました。

歯科医師、モデル、と活躍している中で、ものづくりに目覚めたキッカケを教えてください。


「3,4 年前にすごく悩んでいたんです。モデルと歯科医師、どちらかに絞ってやっていった方がいいのかなぁと。自分が何が好きで、何をしていきたいのか迷っていて、自分の軸を振り返る節目の時期でした。歯科医師は、体育会系であり男性社会でもあるんです。そこに疑問を感じるときもあったので悩んでいて。場所に縛られることは自分には向いていないと分かっていたので、開業も考えていませんでした。自分が何をしたいのか、自問自答している時「頭の中には作りたいものが詳細にある。それを作ってみよう」と思い立ちました。実際に作ってみたら、リアルに反響も頂けて、それがまたすごく嬉しかったんです。そこで「クリエイティブディレクター」という職業も1つ加わりました」


お仕事はさらに忙しくなったと思いますが、マルチタスクは得意な方なのでしょうか?何かコツはありますか?

「マルチタスクが得意な方では全くないと思います。テンパりやすい方なんです。私は、一つ一つやるべきことが分かりやすく目の前に提示されていないと散漫になりやすくて。なので、視覚的に整理するために、TODO リストをポストイットに書いて目に付く場所に貼っています。それもかなり細かく全行程を張り出すんです。もし何か資料を送るのなら、まず資料用のアイディアを探すという部分から書き出します。このやり方が自分にとても合っていると気付けたのは、パートナーのおかげ。その人もそういう働き方をしていて真似をしてみたら、とても頭の中が整理されて効率が良くなったんです。私は視覚から入る情報が大事なんだと気付けました」

視覚的な情報が大事と言うことですが、自分が暮らし働く空間づくりも重要なのでしょうか?


「そうですね。部屋は綺麗に保っています。散らかった空間にいたらきっと散漫になってしまうので。ポップな色合いの物も好きなのですが、少しでも散らかっていると目立つし、スッキリしづらいのであまりインテリアには選びません。出来ないことにフォーカスしてしまわないよう、自分がいかに心地よいかということが、私にはとても重要。心地よくしてくれるアイテムとして「香り」も私にはとても大切な存在。その日の気分に合わせて選んでいます」

愛用している「香り」アイテムたち

右「BAUM」 WOODLAND WINDS
左「Dipryque」34

「石鹸がケースになっているというヴィジュアルとコンセプト両方に惹かれて、エッセンスで個人輸入しました」

右「JO MALONE」 VELVET ROSE & DUO
中 「August & piers」SAINT
左「AQUA DI PARMA」
右 「アパートバイローリーズ」とコラボして作ったディフューザー。「オリジナルを開
発中です」
左 「APOTHEKE FRAGRANCE」のお香真鍮スタンド

この香りコレクションはほんの一部だという加藤さん。どう選び、使い分けているのでしょうか?


「その日の気分と、時間に余裕があるか否か、が大きく影響しています。ゆっくり過ごせる時、またはゆっくりする時間をあえて作って自分を落ち着かせたい時、お香やキャンドルを選びます。揺れる煙によって、視覚的に時間を感じられるので。目で時間の経過が分かるし、ゆらゆら揺れる煙って気分が落ち着きますよね。香りものに関しては、気になったらすぐに買って試してみます。気になって、実際に使ってみるという過程で、自分自身の感覚のひっかりを改めて知ることも出来るんです。私は今こういうものを求めているんだ、と。TODO リストも香りも、自分を知っていくことで、自分が心地よく過ごす術を見つけていけているんだと思っています」

加藤順子

Junko Kato

歯科医師、クリエイティブディレクター、モデルとして自身の技術や感性を生かし、幅広い分野にて活躍。SNSでは、ライフスタイルとして趣味のインテリアやDIYでリフォームした部屋をはじめとした独自の世界観を発信し支持を得ている。アパレルブランドとコラボレーションなどその独自の視点にも注目が集まっています。

 Instagram:@_katojun_


Photograph Nobuki Kawaharazaki 
Edit & Writing Maki Kakimoto

< NEXT
BACK TO LIST
PREV >