DAILY

ニュートラルな自分を愛すること

2022.06.01

お気に入りのモノや習慣など、日々の過ごし方について伺っていく“DAILY”インタビューの今回のゲストはモデルのAKEMI RODRYさん。健康的でやさしい笑顔が印象的なAKEMIさんの日々の中でとても大切な存在なのは、愛犬のWalter(ウォルター)ちゃん。Walterちゃんと一緒に暮らし始めてから起こったAKEMIさんの感覚の変化など、お話を伺いました。

郊外と都心を行き来しながらリズムを作る日々

高校1年生でモデルのキャリアをスタートし、現在は雑誌やC M、広告など様々なメディアのお仕事で活躍するAKEMIさん。自宅のある茨城県から、都内に通うというスタイルでお仕事をする日々だそう。

「両親がブラジルで生まれ育ち、私自身も7歳までブラジルに住んでいました。お父さんは沖縄のルーツを持っています。高校生の頃サロンモデルをきっかけにモデルのお仕事をスタートしましたが、当時は未来がどんな風になるのかなんて想像もしていませんでした。幼少期、ブラジルに住んでいた時は、私が現在住む地域に似た地方都市、カンポグランデ(広い平野という意味)に住んでいました。自然がごく近くにある環境が私の原風景だから、自然の近くにいると安心します。現在も、自宅の近くに大きな川があって、お散歩の時には必ず訪れます。仕事のリズムは、その時にやらせていただいているプロジェクトによって時間帯が異なりますが、大抵電車で都内の現場へ向かいます。東京に到着するとお仕事のスイッチが入りますね。帰り道に寄り道したり、東京型のライフスタイルに憧れることは・・・あまりないですね。愛犬のWalterに早く会いたいから終わったらすぐに直帰します(笑)」

モデルのお仕事となると、健康管理や食事のことなど人一倍気にかけているイメージですが、普段からAKEMIさんが心掛けていることはどんなことでしょう。

「自宅ではお母さんがブラジルの家庭料理を作ってくれるので、美味しくそれを食べています。野菜の他に豆やローリエなどのスパイスを使った煮込み料理など、基本的にはヘルシーなものが多いです。暖かくなってくると、朝食にはアサイーボウルを作ります。20歳の頃にお母さんから勧められ、栄養があるアサイージュースを飲むようになったのをきっかけに、バナナ、ヘンプシード、ココナッツファイン、カカオニブ、チアシードなどのスーパーフードを選んで、オリジナルのスーパーアサイーボウルを作るようになりました。珍しい食材も、今は手軽にコストコで手に入るので、習慣にするのも簡単です。また、環境のことを考えて、少しずつお肉を減らしたいと話したら、お母さんもお肉がそんなに好きではなかったので、最近はヴィーガン料理を調べて作ってくれるようになりました。ヴィーガンと言うと、動物を守るための意識で取り組む人が多いようなのですが、実は人権問題につながっているんじゃないかなと感じています。私たちにとって当たり前になっている便利な食生活の先には、青少年の労働や、賃金の低い不当な労働など途上国に見られる人権問題につながっていることが多いようなのです。自分の快適な暮らしのせいで、誰かが苦しめられていると言う事実に胸が痛みます。もちろん、環境問題にも関心があります。最近では特に、気候変動や放火が原因で起こるアマゾン火災が気になります。コロナ禍で時間ができて、そういった環境問題の現状と原因を調べる機会が増えましたね」

スーパーフードや季節のフルーツを選んで作っているというアサイーボウル

まさに、自然の一部!Walterとの出会い

AKEMIさんにとって毎日の中で、なくてはならない“モノ”はなんですか?と言う質問をしてみ
ると、意外な返事が返ってきました。

「愛犬のWalterです。質問の意図としてはきっと愛用している「物」のことだと思ったのですが、私の生活、というか人生になくてはならない存在、それはWalterなんです。Walterは、ある日突然家に来ました。お父さんの友人が飼っていた犬が出産したのです。ゴールデンとサモエドの親から生まれたその子がWalterでした。うちの実家ではそんなに珍しいことではなくて、友達の飼えなくなってしまったワンちゃんを預かって飼ったり、誰かが連れて来たりすることはしばしばあります。私も小さい頃から動物が大好きで獣医さんになりたかったくらい。お母さんは昔から動物をペットショップで買わないという教えでした。今思えばその理由がわかるし、そんな風に育ててくれて良かったなと思います」

AKEMIさんから見て、Walterは小学3年生くらいの子どもの感覚だと言います。臆病だけど、活発。その名の由来はかつて見た「Walter」という名前の犬の動画だそう。犬が走って水に飛び込む様子を見て、海が好きになって欲しいと思って名付けた。

「私の彼が住む神奈川県の海沿いの街にたびたび訪れることがあるためか、Walterは海がとても好きになりました。サーフィンをする彼と一緒に海沿いを駆け回り、水と戯れていつも目一杯遊んでいます。良い海岸を探しながら、波を追いかけて車で旅をすることがあるのですが、Walterも彼も本当に自由で(笑)私はいつも彼らがのびのびと遊んでいる様子を海岸から眺めています。素足でコンビニに入っていってしまうほど、ワイルドな彼は、感覚的にはほぼWalterと一緒!動物的本能と言うのかな?2人の気が合うのが分かります。Walterは季節の移ろいに敏感で、植物の形や色や匂いにすぐに反応します。一緒に散歩をしているだけで、たくさんの発見があるのです。あ、あの枝にはあんな鮮やかな花が咲くんだ、とかね。Walterを見ているとこんなに自由に生きられたらいいな、と思うんです」

Walterが気づかせてくれた、ニュートラルな自分

AKEMIさんにとってWalterは我が子。愛おしくて、だからこそ、人に迷惑をかけない程度にしつけはしなきゃ!と思う。

「今まで実家にワンちゃんがいないことがなかったのですが、自分が丸ごとお世話をしなくては!と意識を持つようになったのは、Walterが来てからです。私自身が年齢を重ねたのもあるかもしれません。自分の子どものような存在なので、育て合っている感覚ですね。そう思うようになったのは、Walterが楽しんでくれるから。連れていく場所を駆け回り、景色に興奮し、用意した食事を美味しそうにたいらげる。リアクションが嬉しくて、もっとWalterにやってあげたくなる。そんな風にやっているうちに、自分がとても充実していることに気がつきました。これまでの自分は、仕事に必死で、生活の中で優先順位は仕事の評価が一番。忙しない日々の中で、気持ちや感覚を置いてきぼりにしていたのかもしれません。Walterと、ワイルドな彼に出会って、それが少しずつ変化していきました。もっともっと自由に生きろよ!と言われている気がするんです。たとえば、環境問題や仕事において、〜しなきゃ、〜せねば、と強く思い過ぎないバランスの大切さを感じています。盲目的に何かを信じすぎると、その事柄の違う側面が見えなくなってしまう。いつも中庸のバランスでいること。バランスが整ってくると、ニュートラルな自分でいられるようになりました。異論を唱えたり、ジャッジするのではなくて、自分はこうしたいと言う選択肢を持つ。一人一人がお互いの選択肢を理解し合える社会になれば、物事が良い方向にいくのではないかな、と思うんです」

我が子のような存在であり、日々大切なことを教えてくれているというWalterちゃん

言葉を丁寧に選びながら自分の心情を話してくれたAKEMIさん。決して押し付けがましくなく、世界を静かに俯瞰してみているような、そんな眼差しの持ち主。その原動力が、自然そのものである愛犬のWalterだということが、素直で真っ直ぐなAKEMIさんらしいなと感じました。これからのAKEMIさんの発信や活動がますます楽しみです。

AKEMI RODRY

15歳からモデルとしてキャリアをスタート。ブラジルと、日本は沖縄にルーツを持つ。ヘルシーで明るい存在感を活かし、C Mや雑誌、広告の媒体など様々なメディアで活躍。愛犬とともに自然体に暮らす姿を発信。環境問題や人権問題に対してもニュートラルな視点と自分自身の意見を持つ等身大の生き方に共感が寄せられる。

Instagram: @0115akemi

Photographies by Yuka Uesawa

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