TCFDへの対応

Response to TCFD

2050年温室効果ガス排出
実質ゼロの世界に向けて

「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」というユーグレナ・フィロソフィーを掲げている当社では、環境に配慮した事業活動を通して、自然豊かな地球を次世代に残していく責務を負っていると考えています。2005年の創業以来、継続して地球規模の環境問題など様々な社会的課題へのソリューションを提供する革新技術・事業の創出に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献してきました。2050年温室効果ガス排出実質ゼロの世界に向け、ユーグレナグループの事業を通じた環境負荷の削減を更に推進すると共に、バイオ燃料の普及により社会全体のCO2排出量削減に貢献して参ります。

取組事例バイオ燃料の開発・生産

気候変動への具体的な対策として、ユーグレナ社は廃食油や微細藻類ユーグレナを原料とするバイオ燃料「サステオ」を製造・販売しています。「サステオ」は、燃料の燃焼段階ではCO2を排出しますが、廃食油の原材料である植物も、ユーグレナも、成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、燃料を使用した際のCO2の排出量が実質的にはプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルの実現に貢献すると期待されています。2020年3月には次世代バイオディーゼル燃料が、2021年3月にはバイオジェット燃料が完成し、「陸・海・空」の全ての領域においてバイオ燃料の導入を順次拡大してまいりました。

取組事例TCFD提言への賛同

当社は2019年5月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1: Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による気候関連財務情報開示を求める提言に賛同するとともに、提言の推進を行うことを目的に設立されたTCFDコンソーシアム※2に入会しました。TCFDによる提言に基づき、気候関連のリスクと事業機会、ガバナンス体制について情報開示を強化しております。

※1 TCFD:金融システムの安定化を図る国際的組織である金融安定理事会(Financial Stability Board)により設置されたタスクフォース。気候変動に関する情報開示を行う企業への支援や、低炭素社会へのスムーズな移行により金融市場の安定化を図ることを目的とする
※2 TCFDコンソーシアム:企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取り組みについて議論を行うため、2019年5月、日本において設立。TCFDに賛同している企業・機関であれば入会可能

TCFD提言に基づく
取り組み・情報開示

気候変動問題に関するガバナンス体制

当社グループは、気候変動を含む地球規模の課題に対する取り組みを加速させるため、2022年3月にサステナビリティの実現に向けた活動を推進するサステナビリティ委員会の設立に向けた準備委員会を新たに設置しました。準備委員会における検討・準備を経て、「サステナビリティ・ファースト」の実現に向けた中長期的な全体ロードマップおよび実行計画の策定や全社プロジェクト実行課題、活動状況を統括して管理するサステナビリティ委員会を、2022年中に設立する予定です。サステナビリティ委員会が気候変動リスクの監督を行います。
また、事業方針の検討にあたっては、当社事業の成長が社会課題の解決に直結するよう、常に気候変動を始めとする社会問題を考慮しております。担当部署を通じて取締役会に適宜報告されるESGリスクに即して、取締役会は事業戦略の策定・経営判断を行っております。

気候変動による影響のシナリオ分析

今回のシナリオ分析においては、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える努力を追求する」というパリ協定目標の達成と脱炭素社会の実現を見据え、1.5℃シナリオとともに、世界的に気候変動対策が十分に進展しない場合も想定して、4℃シナリオを検討しました。また、当社の事業の蓋然性が見通せる範囲として、2030年を分析対象としました。分析の対象事業としては、株式会社ユーグレナにおけるヘルスケア事業とエネルギー・環境事業を設定し、気候変動による当社グループへの影響を整理しました。シナリオ分析にあたり、1.5℃においては、IEA SDS、IPCC RCP2.6・SR1.5、WRI Aqueduct Optimisticなど、4℃においては、IEA STEPS、IPCC RCP8.5、WRI Aqueduct BaUなどを参照しました。

気候変動に関連する主要な機会・リスクの分析

各シナリオで想定した世界像に基づき、第一段階として、準備段階の際に選定した対象事業について、リスク・機会項目を網羅的に列挙しました。第二段階として、リスク・機会が発生する可能性の大きさと、リスク・機会が現実のものとなった場合の事業インパクトの大きさを軸に、リスク重要度の定性的に仮評価しました(図1)。最終段階にて、執行役員や部門担当者とのディスカッションを踏まえ、リスク・機会の事業への影響度と発生度を定性的・定量的に評価し、小・中・高の3段階に分類しました。

リスク・機会項目(ヘルスケア事業)の
重要度評価

その結果、各事業で想定される気候リスクと機会を次の図表のように整理し、重要なリスク・機会を特定しました。

ヘルスケア事業の気候変動に
関連する主要なリスク・機会

リスク

  • 4℃シナリオ下での異常気象の激甚化による、生産拠点や物流機能への損害
  • 1.5℃シナリオ下でのカーボンプライシング導入による設備投資や原材料調達コスト

を、特に考慮すべきリスク要因として特定し、事業へのインパクトについて定量的評価を実施いたしました。今後、より詳細なリスク分析を実施し、より包括的なリスク管理に努めてまいります。

リスク事例洪水・高潮による生産拠点・物流拠点の停止

洪水や高潮といった異常気象の発生が当社グループの物流拠点に与える影響を評価しました。各生産・物流拠点について、地域自治体が発行するハザードマップや浸水予測図を評価に活用しました。各物流拠点については、国土交通省「治水経済調査マニュアル(案)」を参考に、想定される営業停止日数・営業停滞日数をもとに、拠点の営業停止による売上高の損失を算定しました。その結果、2030 年時点においては物流拠点の浸水に伴う商品供給不可に起因した売上減は限定的であり、リスクとしては対応可能と評価されました。今後、洪水時のBCP 策定や浸水予測などの対策を講じ、リスクの緩和・除去に努めてまいります。各生産拠点については、自治体が発行するハザードマップにより浸水リスクは低く、浸水で製造が著しく滞る可能性は低いことを確認しています。

リスク事例温度上昇・水不足による石垣島ユーグレナ生産への影響

石垣島ユーグレナ/ヤエヤマクロレラの培養は適正温度の範囲で実施する必要があるため、4℃シナリオで想定される温度上昇が発生した場合、培養の温調コストが増大する可能性があります。また、発生度は比較的小さいですが、干ばつ等による渇水リスクが生じ、培養に必要な水の確保が困難になる場合、ユーグレナ/クロレラの生産への影響が一定程度想定されます。温度調整の設備投資など、リスクの回避や低減に向けた対策を今後講じてまいります。

機会

気候変動対応が進む1.5℃未満シナリオ下では、消費者の環境意識が高まり、当社の環境負荷の低いヘルスケア商品の評価は今後さらに向上していくと想定しています。その他の機会と共に事業発展に向けた活用を進めてまいります。

エネルギー・環境事業の
気候変動に関連する
主要なリスク・機会

エネルギー・環境事業も同様に、リスク・機会の事業への影響度と発生度を定性的・定量的に評価しました。一方で、当事業は本格的な商業化前のフェーズにあり適正な評価は難しいため、2021年度はリスクと機会の定性分析の結果を開示し、2022年12月期以降に定量的リスクと主な対応アクション領域について開示してまいります。現時点では、以下記載を含むリスク・機会の分析を進めております。

機会事例バイオ燃料の利用促進に向けた法規制の強化による売上高増

カーボンニュートラル実現に向けて、バイオ燃料の需要はグローバルに拡大すると見込まれており、さらに割当制度や炭素税といった法規制の強化によって、石油燃料に対する価格競争性が向上し、飛躍的に市場が拡大すると予測されています。2050年までに道路輸送の41%、航空機の45%、船舶の21%でバイオ燃料が導入すると予測されるなど、「陸・海・空」の全業種で需要拡大が見込まれる一方で、供給不足が予想されるため、生産量の増加に応じて売上が増加すると想定しております。当社では、バイオ燃料の生産キャパシティを、現状の実証プラントにおける年産125キロリットルから、2025年に商業プラントを完成させることで年産25万キロリットルに拡大する目標を掲げております。商業プラントが完成し、バイオジェット燃料・次世代バイオディーゼル燃料の供給量を各々12.5万キロリットルと仮定した場合、全体売上高は約500億円と試算しております。

気候変動問題に対する当社グループの戦略・取り組み

気候変動の緩和に貢献するバイオ燃料事業

当社が製造・販売するバイオ燃料「サステオ」は、多くの企業・団体に賛同を得ており、バイオ燃料供給先は累計40社以上にのぼります。その賛同の輪をさらに広げるべく、引き続きバイオ燃料に関わる研究・製造・営業努力を続けていきます。現在は、1.5℃シナリオ下の事業機会を見据えて、国内外のパートナーと連携し、2025年の商業プラント建設完成を目指しております。2026年以降に次世代バイオディーゼル燃料とバイオジェット燃料の本格供給を開始し、自動車や船舶、飛行機等の移動体に幅広く導入していくことで、1.5℃シナリオの実現、2050年カーボンニュートラル達成に大きく貢献してまいります。

ヘルスケア事業の事業を通じた取り組み

当社グループは、事業活動における持続的な環境負荷の軽減を経営の重要な課題の一つと捉え、「気候変動の抑制」には特に注力しております。初代CFO(最高未来責任者)およびサミットメンバーが策定した「環境への意識の高さ、低さにかかわらず、当社はお客様が意識せずとも環境に配慮した行動をとれる仕組みの構築を目指す」という方針に基づき、商品や包装にて使用する石油由来プラスチック量の大幅削減や再生可能エネルギー使用などを通じて、これまでヘルスケア事業における温室効果ガス排出量削減に努めており、今後更なる取り組みを強化してまいります。

取組事例ペットボトル商品の全廃

当社は2020年に、商品に使用される石油由来プラスチックの削減を目的に、既存の飲料用ペットボトル商品の全廃と、一部商品においてお客様がプラスチックストローの有無を選択可能にすることを決定しました。当社の主力飲料商品である「からだにユーグレナ」は、ペットボトルではなくカートカンを現在採用しております。カートカンは、紙パック同様リサイクル可能な包装容器です。また、原材料に間伐材や国産材を30%以上使用しているため、CO2吸収効率の高い健全な森を育てることを可能にし、地球温暖化防止にも貢献しています。また、一部商品ではバイオマスプラ配合ストローを採用し、石油由来プラスチック削減に努めております。今後も、環境負荷の低い容器包装を用いて当社商品を開発・販売してまいります。

からだにユーグレナGreen Smoothie乳酸菌
からだにユーグレナ Green Smoothie乳酸菌
取組事例スキンケア商品容器のチューブタイプへの切り替え

スキンケアブランド『one(ワン)』のオールインワンクリーム6品の容器を、2021年9月以降、従来のジャータイプの容器から、サトウキビ由来樹脂を本体に配合したチューブタイプの容器に順次切り替え、公式ECサイト『ユーグレナ・オンライン』にて販売しています。容器の変更により、従来品と比較して最大90%の石油由来プラスチックの削減を実現しました。また、メール便で配送した場合は、輸送体積が小さくなり再配達も不要となるため、配送に伴うCO2排出量の削減という観点からもサステナブルな商品設計を実現しました。

リスク管理

ユーグレナグループは、全社重要リスクを特定し、PDCAサイクルによってリスクを管理する全社リスクマネジメント体制を構築しております。グループ内におけるリスク情報等に関しては、担当部署を通じて取締役会へ報告し、フィードバックを受けております。気候変動リスクも全社重要リスクの一つと位置付け、当該全社リスクマネジメント体制において管理し、検討・対応内容は年に1回以上取締役会に報告しております。

指標と目標

気候リスクと機会のシナリオ分析結果を踏まえ、今後は、事業と連携して対応策を策定し、経営・事業計画への組み込みを進めてまいります。気候変動による物理的リスクの緩和や機会の活用に向けた各種指標を今後設定し、定期的なモニタリングの実施を目指してまいります。

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