藻類エネルギー技術研究所

研究内容

微細藻類の屋外大量培養技術を確立することで、バイオジェット燃料の原料として世界で初めて微細藻類油脂(藻油)の安定供給を可能にするとともに、枯渇海洋資源である魚粉を代替する飼料原料を大量供給して海洋資源の保護に貢献するサステナブル事業の実現を目指しています。隣接する木質バイオマス発電所から排出されるCO2や廃熱を利用した高効率・低コスト培養方法の研究開発から、収穫、乾燥、藻油抽出までの一貫生産プロセス開発、藻油抽出残渣の価値・品質向上に資する養殖研究を通じ、燃料及び飼料事業の総合的な事業性評価を行っています。

所長メッセージ

2050年ネットゼロカーボンの社会実現のため、航空業界含む運輸産業におけるCO2排出削減の寄与は非常に大きく、とりわけ燃料のバイオ化は不可避の課題です。当社の強みは、バイオ燃料原料ポートフォリオとして廃食油のような廃棄物系油脂を収集するだけではなく、自らの技術力で独自バイオマス原料の生産・供給できる点にあります。しかしながら、地球規模の課題の早期解決には様々な強みを持った大学や企業との連携強化が必須です。自社ラボ内での基礎的研究から、国内外のオープンイノベーションによる研究体制強化・規模拡大を網羅的に推進し、バイオテクノロジーで切り拓く持続可能な社会の実現に向けてこれからも日々努力して参ります。

藻類エネルギー技術研究所
所長 鈴木 秀幸

研究事例紹介

発電所排ガスを利用した低コスト生産プロセスの開発に成功

1000㎥あぜ型微細藻類培養プール

藻類エネルギー技術研究所では、隣接する多気バイオパワー木質バイオマス発電所の協力のもと、発電所排ガス中に含まれる高濃度CO2と、高温の排ガス廃熱を利用した微細藻類ユーグレナの低コスト生産プロセスの開発に成功しました。

研究内容

微細藻類ユーグレナは高濃度のCO2に曝されても生育することができるため、発電所排ガスのように高濃度CO2を含む気体を培養プールへ供給することで生産性を格段に高めることができます。排ガスは大気汚染防止法の排出基準を満たしているとはいえ、煤塵やSox、Noxといった不純物も含まれますが、CO2純ガスを通気した場合と比較してもユーグレナは生育阻害を受けることなく同等に増殖できることを実証しています。また、排ガスは約120℃前後の高温で排出されているため、この熱を収穫後のユーグレナの乾燥に利用する方法も開発しました。
このように、廃熱エネルギーを活用することで、生産に投じるエネルギー量を抑制できるため、ユーグレナ由来のバイオ燃料の環境負荷低減効果を最大化することができました。

多気サステナブルサーモンの開発に成功

多気サステナブルサーモン

藻類エネルギー技術研究所は、多気町、株式会社中部プラントサービスと共同で、多気町産未利用資源と微細藻類ユーグレナを用いた低魚粉の「多気ブランド飼料」を開発するとともに、「多気サステナブルサーモン」を開発しました。

研究内容

今回開発した多気ブランド飼料は、藻類エネルギー技術研究所で生産した微細藻類ユーグレナをタンパク質源として配合することで、一般的な養魚飼料よりも魚粉使用料を低く抑えています。また、多気町内で規格外品や副産物として廃棄されていた伊勢芋、酒粕、松阪牛牛脂、米ぬか、ミカン、次郎柿、伊勢茶などを、脂質、ビタミン、ミネラル等の供給源として配合しています。さらに、生態系への影響懸念から駆除の対象となっているアメリカザリガニも、捕獲し粉末化後、摂餌刺激や色揚げ等の効果を目的として添加しています。
藻類エネルギー技術研究所はユーグレナの生産と飼料の作製を担当、多気町は未利用資源の回収、中部プラントサービスは閉鎖循環式養殖水槽での飼育を担当しました。閉鎖循環式は水槽の水を再利用するため、環境への負荷が少なく、設置場所の制約がなく陸上での養殖が可能であることから、近年注目を集めている養殖方法です。

多気ブランド飼料
閉鎖循環式養殖水槽

ユーグレナの研究体制

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