~バングラデシュからの「ユーグレナGENKIプログラム」レポート~


2018年11月の活動報告
~ロヒンギャ難民を継続的に支援している学校の話~

株式会社ユーグレナ
事業開発部 / バングラデシュ事務所

今期(2018年10月~9月)のユーグレナクッキー配布目標230万食に対し、11月までに約41万食(進捗率:18%)を配布しました。

1.ロヒンギャ難民を継続的に支援している学校の話

昨年2017年夏に、ミャンマー西部ラカイン州からイスラム系少数民族ロヒンギャが弾圧を逃れてバングラデシュへ流入した難民問題について、皆さまは覚えていますでしょうか。国連の報告によると、昨年12月に80万人だったロヒンギャ難民の数は、現在120万人にまで増え、今もなお多くの人々が難民キャンプで生活することを余儀なくされています。しかし、国連機関や多くの国々が支援していることで、1年前と比べ生活環境が徐々に整ってきています。具体的な例を挙げると、主にWFP(国連世界食糧計画)が難民にSuicaのようなICカードを配布し、難民キャンプ内のお店で、難民がお米や豆などの食料品、石鹸などの衛生品といった生活必需品を購入できるようになりました。また、学校が建設され、子どもたちがランドセルを背負って登校する姿も見られるようになりました。
 今月は、昨年10月のレポートにて紹介したオーバットヘルパー学校(OBAT Helper School)の現在のロヒンギャ難民支援活動について紹介します。学校を運営するNGOは昨年から難民キャンプへ物資援助を行っており、継続して難民支援を行っています。昨年はレジャーシートや食糧といった緊急に必要とされる物資を届けていました。現在は難民キャンプ内の病院へ医薬品を届けるほか、教育支援を行っています。その支援方法はとてもユニークで、子どもたちは教科書の代わりにタブレットを使って勉強します。オンラインでダッカにあるオーバットヘルパー学校と繋ぎ、先生はダッカに居ながら75人の難民の子どもたちに授業を行っています。また、学校に募金箱を設け、子どもたちや近所に住む人々が募金をしています。今年8月のイードと呼ばれるイスラム教にとって重要な祭日に、150着の新しい洋服をNGOと一緒に難民に寄付しました。イードでは、皆で新しい服を着てお祝いする習慣があります。近頃、日本ではあまりロヒンギャ難民の問題は取り上げられませんが、バングラデシュではこういった地道な支援が続いています。

2.高校進学を目指すザヒッド君の紹介

これまでたくさんのGENKIプログラムでユーグレナクッキーを食べる子どもたちをご紹介してきましたが、今月は中学2年生のザヒッド君を紹介します。ザヒッド君は、住まいが“ボタニカルガーデン”という大きな公園近くにある影響で、子どものころから小さな植木鉢で家庭菜園をしたり、植物を育てたりすることが大好きな少年です。家だけではなく、率先して学校の庭木の世話もしています。
 彼は将来大学で、バングラデシュの主要産業の1つである農業の研究をしたいと考えています。バングラデシュの教育制度は、小学校が5年間、中学校が5年間、高校が2年間で、その後大学や専科短大に進みます。中学校は学年1~3年と4~5年の2段階に分かれており、3年生と5年生の修了時に試験を受け、合格すると進学できます。4年生に進学する際に、文系、理系、商業系の3つの専門に分かれます。そのため、ザヒッド君は来年3年生終了時に試験を受け、理系に進学する必要があります。学校の先生は、彼の数学の成績が良いことから、理系への進学を勧めています。4年生以降の学費は現在の月400円から月650円になります。彼は現在お父さんとお母さん、お兄さんと4人で暮らしています。お父さんは牛乳メーカーで牛乳を配達する運転手として働いています。お兄さんは中学卒業後、縫製工場で働き家庭を支えており、世帯収入は約26,000円です。ザヒッド君はなかなか家族に進学したいことや将来の夢を話せずにいましたが、打ち明けたところ「必要であればお母さんが働きに出る」また「家計を少し切り詰め生活すれば大丈夫」と家族は言ってくれたそうです。ザヒッド君は「大学進学には学費の安い国立大学でなければ難しい。奨学金を得るのはとても狭き門だけど、チャレンジしてみたい!」と話してくれました。

3.バングラデシュの小学校の登下校事情について

皆さまはバングラデシュの子どもたちがどうやって登下校していると思いますか。今月は日本と異なるバングラデシュの子どもたちの登下校事情についてご紹介します。バングラデシュでは、日本と比べ、多くの親が子どもの送り迎えをします。バングラデシュは公共交通機関がとぼしいため、首都ダッカに住む富裕層の家庭では、誘拐の恐れなどから車で子どもを送り迎えすることが一般的です。中学生になっても送り迎えをする家庭もあり、朝の通学時間になると学校の前に車の列や親子の人だかりができます。一方、スラム街の小学校では、子どもは徒歩10分程度かけて通学します。1クラスの生徒数は約40人ですがそのうち約10人の子どもたちがお母さんや親族に徒歩で送り迎えをしてもらっています。送り迎えをする理由は、誘拐のリスクを避けたり、学校生活に馴染めない子どもをサポートしたりするためです。富裕層家庭でも、スラム街家庭でも、子どもたちが安全に暮らし健全な発達をとげるよう、親が子どもたちを見守っています。子どもに対する親の愛情は万国共通です。


引き続きご支援をよろしくお願いいたします。