~バングラデシュからの「ユーグレナGENKIプログラム」レポート~


2018年6月の活動報告
~第8回 ソーシャルビジネスデーへの参加~

株式会社ユーグレナ
事業開発部 / バングラデシュ事務所

今期(2018年4月~9月)のユーグレナクッキー配布目標110万食に対し、6月までに約51万食(進捗率:46%)を配布しました。

1.第8回 ソーシャルビジネスデーへの参加

2018年6月28日、29日にインドのバンガロールで、グラミン銀行創設者であり2006年ノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス氏主催の第8回ソーシャルビジネスデーが開催されました。同イベントは、毎年ダッカで開催され、ソーシャルビジネスに関心の深い企業、NGO、国際機関、大学、個人が集まります。今年はバンガロールで行われ、TATAグループ CEO、ダノンCEO、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長などソーシャルビジネスを行う各界のトップによる講演が行われ、42カ国から約1,200名が参加しました。
 グラミングループと合弁会社であるグラミンユーグレナを設立し、ソーシャルビジネスを行っている当社は、同イベントに参加しました。バングラデシュで実施している緑豆事業とGENKIプログラムについて、グラミンユーグレナの社長・佐竹が活動の説明を行いました。また、会場の一部スペースを借り、GENKIプログラムで配布しているユーグレナクッキーを展示したり、現地スタッフが講演の合間にプログラム概要を記載したパンフレットを配布したりと活動内容を紹介しました。
 ユヌス氏は講演で、貧困、非雇用者、二酸化炭素排出の3つをゼロにした新しい世界を創出するビジョンを実現することの重要性、そのために身近に自分ができることから始める必要性を語りました。実際にユヌス氏は、グラミン銀行の設立に際し、農村で高利貸しからお金を借りたため、返済に追われ貧困から抜け出せない女性との出会いから、貧困をなくすために自分に何ができるかの調査を始めました。そして、とある一つの村で42世帯の読み書きできない女性たちへポケットマネーから856タカ(当時27ドル:約3,000円)を貸したことをきっかけに、マイクロクレジット(少額無担保融資)がバングラデシュ全土、そして世界へと広がっていきました。その後、ユヌス氏はどんなに人から反対されても信念を貫き、これまで800万人以上の人々がグラミン銀行の融資を受け貧困から脱出しました。同イベントに参加し、ユヌス氏の熱い想いが世界中の人々を巻き込み、多くの国で社会的課題解決に向けた持続可能なソーシャルビジネスが行われていることを実感しました。

2.断食明けにユーグレナクッキーを食べたカジョルちゃんの紹介

現在GENKIプログラムでは53校、1日約9,500人にユーグレナクッキーを配布していますが、今月はラマダン(断食月)のため、約6割の学校が休校になりました。そのため昨年に引き続き、今年も休校中に補講を実施した18校約2,000人の生徒へ約17,000袋のクッキーを配布しました。昨年の補講中にクッキーを12校へ配布したことを学校の先生に説明し、ご理解いただいたことで、今年は、昨年より6校、約500人多くクッキーを配布することができました。
 今月は、今年から断食を始めたマトリチャイア ビッダ ニケトン学校(Matrichaia Bidda Niketon School )に通うカジョルちゃん(12歳)を紹介します。断食はイスラム教にとって非常に重要です。不遇な人々が被っている飢えや渇き、その他の労苦を実感し、慈悲の手を差し伸べることの大切さに気づくことが、断食を行う目的の1つと言われています。妊婦や小さな子どもは断食が免除されており、日中の食事が許されています。そして子どもは、体力的に断食ができる年齢(10歳前後)になると断食を始めます。
 GENKIプログラムでは、断食を始めた子どもたちやその先生に対し、ラマダン期間中はクッキーを家に持ち帰って断食明けに食べるよう指導しています。断食は日の出前から日没までです。カジョルちゃんは1日5時間からスタートし、慣れてくると大人と同様に早朝から日没まで断食をすることになります。カジョルちゃんは時間や日を限定し、少しずつ断食の習慣に身体を慣らしていきました。暑い中、学校に通いながら断食をするのは、身体に負担がかかるため、補講を休みたいと思った日もあったそうです。
 また断食明けにはイフタールという食事をします。イフタールには、デーツ(ナツメヤシの実)、揚げ物、ひよこ豆のカレーがセットです。バングラデシュの人々はこれを食べるのを楽しみにしています。カジョルちゃんはそのイフタールと学校から持ち帰ったクッキーを一緒に食べたそうです。「来年も断食をしつつ、クッキーをイフタールと一緒に食べたいです!」と話してくれました。

3. 現地スタッフのモーリ(Mouri)の仕事紹介

現在、5名(男性:3名、女性2名)の現地スタッフがGENKIプログラムに従事しています。今月は、今年1月に入社したモーリの仕事について紹介します。彼女は、大学で英文学を専攻した後、貧しい子どもたちに教育支援を行うNGOに就職し、子どもたちに英語を教えていました。また、英語を教える傍ら、子どもたちの家庭環境を理解するため、頻繁にスラム街を訪れ、両親、子どもたち、地域住民と交流をしていました。そして、彼らとの会話の中で、栄養不足である食生活の状況を目の当たりにしました。彼女は、この経験からバングラデシュの子どもたちが抱える栄養不足問題の解決に寄与したいという思いを抱き、GENKIプログラムの活動に加わりました。
 彼女の仕事は、学校訪問を通じユーグレナクッキーの配布状況を確認するとともに、食育セミナー、水と衛生に関するセミナーを実施することです。月に2~3校でこれらのセミナーを実施しています。セミナーでは、クッキーを食べ続けてどういった良い効果があるのか、家庭で食事、衛生面でどういったことに気を付けるべきなのかを説明しています。また、彼女は、手洗い方法や普段の食生活での栄養の摂り方など、両親や子どもたちからの質問を丁寧に聞き、アドバイスもしています。さらに前職での経験を活かし、子どもたちの学校や家庭での悩みに耳を傾け、子どもたちの良き相談相手にもなっています。
 彼女の目標は、セミナー対象校の子どもたちの代表者を集め「栄養・衛生発表会」を開催することです。「栄養・衛生発表会」は、子どもたちが食育・衛生セミナーで学んだことを生かし、家庭や学校で実践している改善策を発表します。参加者間で共有することでさらに改善の輪が広がると考えています。栄養不足問題を解決することは簡単ではありませんが、これからも両親、子どもたちの声を聞き、家庭や学校で実践できる具体的なアドバイスをしてくことが彼女の大きなミッションです。

引き続きご支援をよろしくお願いいたします。