~バングラデシュからの「ユーグレナGENKIプログラム」レポート~


2018年2月の活動報告
~バングラデシュ全国展開に向けた大きな一歩~

株式会社ユーグレナ
事業開発部 / バングラデシュ事務所

今年度のユーグレナクッキー配布目標200万食に対し、2月までに約192万食(進捗率:96%)を配布しました。

1.バングラデシュ全国展開に向けた大きな一歩

図-1:GENKIプログラムを実施している8県
図-1:GENKIプログラムを実施している8県

GENKIプログラムでは、2014年4月にプログラム開始以来、ユーグレナクッキーをバングラデシュの首都ダッカの市内の学校を中心に配布してきました。4年目となる今年2月、プログラムの全国展開に向けた大きな一歩を踏み出しました。バングラデシュ内で大きなNGOの1つ、ジャーゴ財団(JAAGO Foundation以下、JAAGO)と契約を締結し、JAAGOが運営する学校にクッキーの配布を開始しました。この契約により、バングラデシュの8管区64県の内、5管区8県(ダッカDhaka、チッタゴンChittagong、ラッシャヒRajshahi、ロンプールRangpur、ディナジプルDinajpur、ガジプールGazipur、ハビガンジHabiganj、マダーリプルMadaripur)(図-1)にGENKKIプログラムを拡大することができました。
 JAAGOの運営する学校数は6校、対象生徒数は約1,200人です。JAAGO運営校の大きな特色として、バングラデシュで初めて地方でオンライン教育を導入したことが挙げられます。バングラデシュの地方では、先生の不足により学校をつくることができず、子どもが教育を受けられない問題を抱えています。都市と地方の子どもの教育格差を埋めるため、JAAGOは地方の学校にインターネット環境を整備し、ダッカ在住の先生とオンラインでつないで授業を行っています。
 予算の関係上、JAAGOが運営する学校では、クッキーを毎日配布するのではなく、週に3回、1日おきに配布しています。以前JAAGOでは、子どもたちに朝食としてバナナやゆで卵などを配布したことがありました。しかし、食品が輸送中に痛んでしまったり、長期保管ができないといった問題があり、中止になりました。運賃込みで1人当たり月70円の食費予算で子どもたちに十分な栄養を摂取させることができないか検討していたところ、ユーグレナクッキーの栄養価が高く、配布や保管が容易であることがわかり、JAAGOがGENKIプログラム支援者としてプログラム活動費の一部を負担してくれることになりました。また、現地でユーグレナクッキーを製造、輸送しているNABISCO社からも、地方の販売代理店に自社商品を輸送する際にユーグレナクッキーもトラックに積載し、JAAGO運営校へ無償で運んで頂くなど多大な協力を得ています。
 JAAGOの学校に通う子どもたちやそのお母さんたちに話を聞くと、ダッカに住むスラム街の家庭と比較し、農業を営む家庭が多いことが分かりました。ダッカのスラム街の世帯収入約20,000円に対し、彼らの世帯収入は約13,000円のため、都市に比べて生活費の安い地方であっても日々の生活は厳しい状況です。食事はご飯に小魚など質素で、肉を食べる機会が少なく、栄養に偏りが見られます。JAAGO運営校を皮切りに、今後もバングラデシュ全土の栄養失調に陥っている子どもたちの栄養改善に貢献できるよう努めていきます。

2.アーバンシー学校で開催された運動会の紹介

バングラデシュでは1月に新学期が始まります。そのため、多くの学校では2月に新入生を迎える行事が行われます。GENKIプログラム対象の学校でも、年長の子どもたちが新入生へ楽器の演奏や歌を披露するなど各学校で歓迎会が開催されました。今回はアーバンシー学校(Arban C School)で開催された運動会の様子をご紹介します。
 アーバンシー学校では、毎年の恒例行事として2月に運動会を開催します。年長の子どもたちが新入生と一緒にスポーツを行い、交流を深めることが目的です。子どもたちも運動会を毎年楽しみにしており、ご両親も子どもたちを応援しに学校に訪れます。運動会では男女に分かれ、様々な競技が行われます。最も場を沸かせたのは、男子生徒のカエル跳びと、麻袋レースです。カエル跳びはカエルの格好を真似て、麻袋レースは麻袋に両足を入れて、それぞれジャンプしながらゴールを目指します。バングラデシュでは、昔からジュート(黄麻)産業が盛んなため、麻袋レースはバングラデシュでは馴染みの深い遊びです。先生の「スタート」の掛け声と同時に勢いよく飛びだす子どもたちの中、うまくカエル跳びができなかったり、麻袋につまづいて前に進めない子どもがいたり、応援の掛け声で盛り上がりました。
 また、当日は多くの子どもたちのお母さんが学校に集まっていることもあり、運動会後に時間を頂き、手洗い・衛生セミナーを実施しました。具体的には、普段子どもたちに石けんを使った手洗いの実施を呼びかけていますが、お母さんたちにもその大切さを理解していただくため、家で水を沸騰させてから飲むことや手洗いを徹底したことで下痢の症状が治まった子どもたちの事例を紹介しました。今年の新入生のお母さんも多く参加してくれており、「これから子どもが毎日元気に学校に通うため、家族で手洗いを徹底したい」と話してくれました。

3.オーバットヘルパーズNGO執行役員スルタナ氏の紹介

オーバットイングリッシュ学校(OBAT English Medium School)では、子どもたちの健康状態におけるユーグレナクッキーの効果測定のため、これまで4回に渡り血液検査及び身体測定を実施してきました。今回はオーバットイングリッシュ学校を運営するNGO、オーバットヘルパーズ(OBAT Helpers、以下OBAT)の執行役員スルタナ氏を紹介します。
 OBATは職が必要な人々に職業訓練サービスを提供したり、学校を建てて子どもたちに教育を提供する活動を行っています。OBATが運営する学校はバングラデシュ全土に36校あり、そのうちダッカにある5校、対象生徒数1,721人にユーグレナクッキーの配布をしています。そのなかの1校がクッキーの効果測定を実施しているオーバットイングリッシュ学校です。 
 スルタナ氏は、OBATの教育事業を主に担当し、学校運営に携わっています。以前は国連機関で働き、教育事業を行うため資金調達に携わっていました。子どもと接することが好きな彼女は、より子どもと近い教育現場で働きたいと考え、OBATに転職しました。スルタナ氏は、昨年11月の血液検査と今年2月の身体測定の際に、ご両親たちの理解を得るために実施した説明会へ参加したり、説明会に参加できなかった家庭へ現地スタッフとともに訪問したりしました。地域住民の間で、執行役員である彼女自らが家庭訪問したことがたちまち噂で広がり、血液検査や身体測定などが子どもたちの貧血状態や身体の成長を測るのに重要であることをご両親に理解していただくことができました。スルタナ氏のこのようなご協力のもと、ユーグレナクッキーの効果測定を4回に渡り継続することができています。

引き続きご支援をよろしくお願い致します。