~バングラデシュからの「ユーグレナGENKIプログラム」レポート~


2014年次活動報告 2014.4-2015.3

株式会社ユーグレナ
バングラデシュ事務所 所長
モハメド・アケルザマン

2013年10月1日株式会社ユーグレナは初めての海外拠点としてバングラデシュ事務所を設立しました。当事務所は現地の児童たちの栄養を改善するため2014年4月からユーグレナGENKIプログラムをスラム街の学校において実施しています。ユーグレナGENKIプログラムとは栄養たっぷりのユーグレナ・クッキーを小中学生向けに無償配布する活動です。当プログラムのスロ-ガンは『世界の子どもに栄養を』であり、バングラデシュから実施しています。

1.はじめに

ユーグレナGENKIプログラムを開始して以降、2014年5月にはバングラデシュのハシナ首相が日本を訪問し、同年9月に14年ぶりに日本の安倍総理もバングラデシュを訪問しました。この両国の総理大臣の訪問時のビジネスフォ-ラムでは当社社長の出雲が当プログラムについて説明する機会をいただきました。しかし、2015年1月からバングラデシュの治安状況が悪化し、クッキーの配布に関して支障が発生し児童に十分に届けることができない事態が時に発生しました。また政治状況の悪化により児童たちの出席率が下がってしまいました。
そのような環境の中、2014年度としては、毎日2,000名の児童に約50万食を配布する結果となりました。当初目的でありました年間60万食に対し未達となりましたが、数多くの児童たちに高栄養価のユーグレナ・クッキーを給食としてスラムの児童たちに届けることができ、当プログラムにご賛同いただいているすべての関係者の皆様に感謝申し上げます。

2.ユーグレナGENKIプログラムとは

笑顔で美味しく食べている児童の姿笑顔で美味しく食べている児童の姿

当社が実施しているユーグレナGENKIプログラムは、バングラデシュの栄養失調の児童たちが元気になるよう栄養たっぷりのユーグレナ・クッキーを給食の無いスラムの小中学校の児童たちに毎日届けるというプロジェクトです。
ユーグレナ・クッキーにはビタミン類、アミノ酸、パロミランをはじめとする59種類の栄養素が入っており、さらに現地で調達出来る他のビタミンなども加えています。このプログラムではダッカ市近郊にあるスラム街の小学校に毎日6枚入りのユーグレナ・クッキーを配布しており、対象の児童たちには元気になってもらうことを目標にしています。このプログラムの実施により少しでも児童たちの栄養問題を解決していきたいと思います。

3.ユーグレナGENKIプログラムの実施方法

2014年4月からSUROVI, MSS, EKMATRA, OBAT Helpers等、11校にユーグレナGENKIプログラムを実施しています。図-4のフローのようにまずユーグレナ本社からユーグレナ粉末、クッキー費用等がバングラデシュ事務所に送付され、現地事務所が委託先のNABISCOにユーグレナ・クッキーを発注し現地でクッキーを作っています。委託先のNABISCO社が学校に配送、もしくはバングラデシュ事務所のメンバーが直接学校に届けます。バングラデシュ事務所ではそれぞれの学校にクッキー配布、クッキーの配布状況確認、在庫確認、学生達の交流、両親の交流会のため週に2回学校訪問を行っております。

ユーグレナGENKIプログラム体制図


当プログラムはダッカ市内のスラム街で実施しており児童の出席数は大きく変動します。この一年間のクッキーの配布先と委託数の表-1に示しました。予定は60万食でしたが児童の出席率の予測の見誤りや政治状況のため約50万食程しか配布出来ませんでした。不足文の10万食は2015年度に配布させて頂きます。

1年間で配ったクッキーの数(製造数、配布数)
製造数 配布数
日付 箱数 届け先 箱数
1/11/2013 57.00 Bauniahbadh A Block Govt. Primary School 676.00
24/2/2014 50.00 Bauniahbadh D Block SUROVI School 861.00
5/4/2014 293.00 Bauniahbadh E Block Govt. Primary School 985.00
29/04/2014 265.00 Mamunur Rashid Model School, Agargoan 781.00
19/05/2014 267.00 Non Local Junior (NLJ) School, Geneva Camp 1039.00
17/06/2014 206.00 MSS 149.00
5/7/2014 311.00 Ekmatra 70.00
7/8/2014 302.00 Office Usage 37.00
31/8/2014 369.00 Send to the head office 12.00
6/9/2014 49.00 Rohto Co., Ltd. 1.00
20/9/2014 370.00 Official Storage 78.00
25/10/2014 197.00    
1/11/2014 49.00    
13/11/2014 362.00    
30/11/2014 315.00    
1/1/2015 216.00    
29/1/2015 320.00    
23/2/2015 379.00    
19/3/2015 312.00    
合計数  4689.00  合計数 4689.00


4.ユーグレナGENKIプログラムの実施による現場の声:

このユーグレナGENKIプログラムを実施してから2015年3月末で1年が経ちました。一年間は頻繁に学校を訪問し現場の声を沢山聞き取ってまいりました。当プログラムを実施している学校では定期的に地域の方々や両親を集めて交流会を開催しています。この交流はそれぞれの学校ごとに開催しておりますがどこに行っても共通のお話を聞くことができました。

○交流会でのヒアリング内容

1点目
ユーグレナGENKIプログラムを実施するまで、多くの児童たちは学校に来る時に両親から5タカから10タカのお小遣いをもらっていました。このお金で児童たちは、学校の前の売店やお菓子屋さんから健康にあまり良くない食べ物を購入していました。結果的にお腹をこわしたり体調を崩れたりしたこともありましたが、ユーグレナGENKIプログラムを実施してから児童たちは健康的にもなってきました。また、各家庭の家計の負担減少へも貢献することができました。


MSS学校の風景MSS学校の風景

2点目
ユーグレナGENKIプログラムのクッキーを食べてから児童たちの食欲が出てきたと、交流会に出席している両親から聞くことが増えました。さらに児童たちの動きも活発になったという話も学校の先生などから聞いています。


SUROVI学校の風景SUROVI学校の風景

3点目
学校の先生いわく、以前より児童たちの健康状態が良くなり勉強の集中力が高まり出席率も上がったとのことです。運動会では児童たちがより活発に運動ができるようになりました。ちなみにSUROVIの学校では朝昼夕方毎に授業のシフトがあり特に朝番の児童たちは何も食べずに登校することが多かったのですが、ユーグレナ・クッキーが朝食の代わりになっているとのことです。


5.ユーグレナGENKIプログラムの効果:

SUROVIの本社での打ち合わせSUROVIの本社での打ち合わせ

前項にて、ユーグレナGENKIプログラムの効果に関する現場の声をご紹介させて頂きましたが、より定量的に当プログラムの結果についてご報告すべく、ユーグレナ・クッキーを配布している児童たちの成長、健康状態の調査を実施して参りました。しかし、効果測定では児童たちの年齢確認することが大きな課題になっております。
日本では年齢ごとに学年は分かれていますがバングラデシュでは年齢は関係なく、同学年でも年齢が3,4歳異なります。児童の年齢に応じた平均結果との比較を調査を目的としておりますが、年齢の差異があるため効果測定の調査に難航しております。結果、今までの調査方法を改め、2015年3月より再調査を開始することにいたしました。今では年齢確認の方法として役所の登録書類、学校の入学書類、両親にインタビュー、先生方のヒヤリング等を実施して、正確な年齢確認に努め、適切な効果測定のためのデータの収集を実施しています。

6.プロジェクト収支について:

ユーグレナGENKIプログラムはプログラムに協賛頂いている企業の皆様を通じて、ユーグレナ入り商品をご購入頂いた皆様からの寄付で成り立っています。2015年3月期における収支は以下の通りです。

2014年4月から2015年3月までの収支(円)
【収入】 【支出】
協賛企業様からの収入 5,913,770 クッキー製造代金 4,418,343
ユーグレナ社拠出金 9,337,224 プロジェクト管理費用 10,832,651
収入合計 15,250,994 支出合計 15,250,994

プロジェクト管理費用は、バングラデシュ現地における人件費、オフィス費用、配送費、諸経費、税金などにより構成されています。

7.まとめ

ユーグレナGENKIプログラムはダッカ市内のスラム街の児童に対して大きな貢献を実現いたしました。ユーグレナGENKIプログラムに参加する児童たち、家族、学校の先生たち、NGOの関係者全ての方々から大変感謝をいただきました。バングラデシュ事務所も引き続き協賛企業様やお客様のご協力頂きながら、当プログラムの価値が最大化できるよう努力して参りたいと考えております。引き続きよろしくお願い申し上げます。