~バングラデシュからの「ユーグレナGENKIプログラム」レポート~


2015年1月の活動報告
~バングラデシュの基本情報、新学年の始まり~

株式会社ユーグレナ
バングラデシュ事務所 所長
モハメド・アケルザマン

バングラデシュ事務所はGENKIプログラムを通じてバングラデシュの社会課題である子供達の栄養改善問題に取り組んでいます。

1.はじめに

バングラデシュでは子供が生まれてもすぐに公的機関に登録する制度がありません。何か必要があった時に初めて登録するようになっています。例えばポリオワクチンを投与した時などです。登録の制度も約10年前から始まったばかりですべて完了しているわけではありません。特に低所得者層の中には登録をしていない子供も多く存在し親達は自分の好きな年月日を選んで誕生日を登録しています。このような環境下において政府が全国の人口を正確に把握しているかは不明です。バングラデシュでは10年毎に全国で人口調査を行い情報収集していますがこの調査のデータも必ずしも正確ではありません。このような中でユーグレナGENKIプログラムの効果測定を正確に実施することは簡単なことではなく現地事務所ではこの課題解決のため2014年4月以降、打開策を模索してきましたが未だにこれといった具体案を見出すことができていません。正確な効果測定は本プロジェクトの根幹にかかわる問題であることを再認識し、早々に正しいデータ収集方法を確立しなければならないと痛感しています。

さて、バングラデシュは人民共和国で5年毎に国家議員の選挙が行なわれます。アワミ連盟【与党】とBNP党【野党】という2つの大きな政党が存在し今まで交互に政権を担当してきました。昨年1月5日の選挙では与党が選挙の方法を直前に変更しました。野党は実質的に選挙に参加できない状況になり、それを受けて野党は与党のやり方への抗議として選挙一周年の年明けから連続でハルタル(ストライキ)やオボロード(道路封鎖)を続けています。これにより2015年1月だけで全国で43名が死亡し、約100名が入院するなど多く死傷者がでました。このため車、バス、鉄道での移動が大変危険になっています。現地の日本企業や外資系の企業はほぼ外出禁止状態で仕事は自宅と会社の往復だけの状態になっています。当社の事務所メンバーもなるべく外出を避けており近距離の学校訪問や近隣しか訪問できない状態です。

2.効果測定のデータ収集に関して

ユーグレナGENKIプログラムを開始してから約10ヶ月が経ちました。本プログラムの効果測定は大切なミッションとして学年ごとに体長・体重のデータを収集してきましたが、バングラデシュの体重計の性能の問題や、同学年にくくられる児童たちの年齢が明確ではないことなどより、今まで収集したデータは見直さなくてはならないことが判明しました。今後はより確実で適切な効果測定方法を確立するため専門機関や研究者にも相談していく予定です。

3.現地の政治状況の中で

世界地図を見ながら日本を探す児童たち世界地図を見ながら日本を探す児童たち

1.で紹介したようにバングラデシュの政治状況は混乱しています。ハルタルやオボロードが続き学校訪問するのは容易ではありません。このような状況の中、自動車での移動は自粛しており、リキシャなどを使用して安全に配慮しながら比較的近くの地域の学校訪問を行っております。先日はグルシャン地区にあるバングラデシュ最大のスラム街KorilにあるMSSの学校を訪問しました。新入生たちにユーグレナGENKIプログラムのレクチャーと日本についての説明をおこないました。日本については、どこが日本かを世界地図から探してもらいました。児童たちにとっては非常に興味深い授業となったようです。

4.学校訪問~新入生の入学~

バングラデシュの小、中学校の新学期は1月から始まります。

(1)MSSの新入生
私たちがユーグレナGENKIプログラムを実施しているNGO(MSS)の5つの学校は、一般的な学校とは少し異なり、1年生で入学して4年生で卒業します。しかもこのMSSの学校ではそれぞれ児童が30名しかいないので先生1名で全科目を教えています。このMSSの5校の内、3校に新入生が入学しました。学生の年齢は様々でありほぼ全員が自分の誕生日が分からないという状況です。私たちは訪問した日にある生徒の母親と話をしました。その母親の子ども2人がこのクラスで勉強しておりますが、母親は2人の正確な誕生日は覚えていないということでした。



Ekmattraの新入生の姿Ekmattraの新入生の姿

(2)Ekmattraの新入生
当社がユーグレナGENKIプログラムを実施しているEkmattraというNGOのセルターハウスに、8名の新入生が入居しました。このセルターハウスの子供たちの特徴は両親がいないか、あるいは両親がいても子育てが困難な家庭、ということです。Ekmattraは子供たちをセルターハウスに入居させ、人間の5つの基本的ニーズである食事、洋服、住まい、教育、医療のサポートをしています。新入生はセルターハウスで勉強したのち、近くの学校に入学します。右の写真は、学校入学のための勉強をしている姿を撮影したものです。この子たちは既に6歳以上ですがまだ学校に入学していません。Ekmattraで基礎的な教育を受けてから近隣の小学校に入学する予定です。

5.まとめ

学校前で売られているお菓子学校前で売られているお菓子

バングラデシュは現地の政治状況など問題は色々とありますが、現状の課題を解決することで今まで以上に効果的なプログラムの実施を目指します。これからもバングラデシュの栄養問題に貢献できるよう頑張ってまいります。