役員インタビュー 福本 拓元

役員インタビュー

Board member interview

夢の詰まったワクワク感しかないワンダーランド

福本 拓元

取締役 ヘルスケア事業本部長

僕にとってユーグレナ社は
遊園地やおもちゃ箱のように楽しい場所

もともと、愛媛県で健康食品会社の専務取締役をしていた私は、2004年にとある若手経済人の集まるイベントで、まだ起業前の出雲と出会いました。クロレラを中心に取り扱っていた私に向かって「福本さん、これからはミドリムシの時代ですよ」と言う彼に、「なんだコイツは」と最初は面食らいました。けれど「30歳までにミドリムシで宇宙に行くのが夢」と語る出雲のぶっ飛んだ感覚に、言い知れぬワクワク感を感じたのも事実です。やがて私のほうから「会いましょう」とアプローチするようになったある日、ユーグレナ社の事業計画書案を渡され見てみると、取締役のところに自分の名前が入れられていました。でも、彼の語る事業プランにすっかりのめり込んでいた私は、そのままユーグレナ社の創業メンバーになりました。実際、あらゆる健康食品について勉強してきた私から見ても、ミドリムシは知れば知るほど魅力的なものでした。ビタミン、ミネラル、アミノ酸、DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸など59種類もの人間に必要な栄養素をほぼすべて持っていること。人間には分解しきれない植物細胞を持つ細胞壁とは違い、ミドリムシはタンパク質と脂質の細胞膜におおわれているので、消化吸収効率が格段に良いこと。さらに、パラミロンというミドリムシにしかない機能性成分を含んでいること。もはや、国民食として日本人全員に食べてほしいと思える完璧な食品です。私が最初の5年間に行ったことは、徹底してOEM(他社ブランドの製品を製造すること)での営業を仕掛けることでした。そうして収益を確保しながらミドリムシの認知度を高め、2012年からついに本格的な自社製品のダイレクトマーケティング事業に参入。現在では、全体の売上の70%以上を自社製品の売上によって達成しています。

現在のユーグレナ社の主力事業である健康食品としての通販モデルを、2020年までに300億円規模の市場にすることを目指しています。しかし、単品通販と呼ばれる手法で成功している健康食品会社の売上規模は、300〜500億円がトップクラスであり、機能性食品全体の市場規模で見ても、青汁、コラーゲンやグルコサミンなどのリーダー素材でも、市場規模は500〜700億円程度です。この先、ユーグレナ社がさらに発展し成長するためには、通販会社、健康食品会社としてではなく、食品メーカーとして日本に名を残す代表企業になる必要があります。そのとき強みとなるのが、大学発ベンチャー企業として培ってきた技術力、素材開発力と世間からのアカデミックなイメージでしょう。具体的には、研究と恊働して、機能性を訴求する製品ジャンルで定番商品を開発して、誰もが小さい頃から知っていて、常にコンビニやスーパーなどどこでも買えるような国民的なスーパーヒット商品を生み出したいと考えています。出雲が掲げている、食料問題や環境問題の解決といった非常に社会的意義の高いミッションを達成するために、実業として裏で地道にお金を稼ぐのが私たちヘルスケア事業本部の役割です。私たちがいま頑張らなければ、将来の夢も実現できないと自負しています。そのために、ゆくゆくは小売に依存しなくともお客さまに商品を直接お届けできるようなプラットフォーム自体を自社で整備していくという理想も持っています。「プラットフォーム×メーカー」というのを実現しているメーカーはあまり例がないと思いますが、ユーグレナは食品会社であると同時に、未来のエネルギー会社でもある。そもそもが他に類例のない、世界でただ一社だけの企業を作ろうとしているのです。今後は、バイオテクノロジーカンパニーとしてミドリムシ以外の新素材も、研究による開発やM&Aなどによって取り入れていくでしょう。「人と地球を健康にする」という経営理念に則り、様々な事業展開へと拡大していく可能性があります。

ユーグリズムのもとに
社員が同じ志を持つ会社へ

ユーグレナ社のこれまでの10年は、決して順風満帆ではありませんでした。過去に何度か、倒産の危機を迎えたこともあります。特に資金がショートしかけたとき、私はヘルスケア事業本部を全員集めて、3ヶ月で黒字化できなかったら責任を取って辞めると宣言しました。そこから3ヶ月間、経験や人脈のすべてを使ってなんとか黒字化に持ち込みました。あのときが精神的にも一番キツい時期でした。それでも、こうして危機を乗り越えることができたのは、私自身が出雲の理念と信念を、誰よりも尊敬しているからに他なりません。ビジョンを掲げてみんなに落とし込む力、情報を世の中に発信する力、各分野での人脈を切り開く力、お金を集めてくる力などに長けていながら、それぞれの事業については各担当役員や部下を信頼して、ほとんどのことを任せてくれる。彼を世界一の社長にしたい、そしてユーグレナ社を世界一の企業にしたいというのが、私がこの会社で働く個人的なモチベーションでもあります。そして、出雲の志は、嬉しいことに社員一人ひとりにも確実に伝わっています。社員をいくつかのグループに分けて「ユーグレナ社で働く人間とは、どんな人材であるべきか」という議論をしたのですが、出てきた意見のほとんどにブレがなく、みんなの意識が一致していたことに感動しました。それをまとめたものが「ユーグリズム」という10ヶ条の行動指針です。採用面接でも、このユーグリズムに合致する人材かどうかを重視しています。私にとってユーグレナ社は、遊園地やおもちゃ箱のように楽しい場所。「やらされている仕事」という感じがまったくしないし、趣味であり、生活であり、人生そのものと言ってもいいと思います。ワクワク感しか感じないワンダーランド。それが株式会社ユーグレナなんです。